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少しダメージを受けていると、今まで顔を隠していた安室さんがいきなりズカズカと近づいてきた。
ちょっと、何で近づいてくるの。
この人って行動するときいつも急よね。
もっと前ぶれってものがあってもいいんじゃない?
こっちも心の準備っていうものが必要なのよ。
だからまだ近づいてこないでよ。
そこで止まって。心の準備をさせてくれ。
お願い。本当にお願いだから待って近い本当に待って。ストップ。あむぴステイ!!

私の心の叫びなんて全く知らず、トンッと安室さんの手が私の後ろのドアにつく。
その反動でカランとベルが小さく音を立てた。
待って待って待って待って。
何考えてるのこの人は。
人生2度目の壁ドンも安室さんかよ。
安室さんって壁ドン好きなのね。
初壁ドンの時よりもすごく近いんですけど何事ですか。
近くで見てもやっぱりイケメンね…。かっこいいわ。
いやいや、今はそんなことどうでもいいのよ。
外から丸見えだからやめてってば。
女子高生たちにバレたら私が刺されるでしょ。
私まだ死にたくないのよ。
だからお願い離れて。
心臓がバックバクいってるのが聞こえちゃうでしょ。

今度はそんな私の思いが伝わったのか、安室さんはすぐに離れていった。
何がしたいんだこのイケメン。
今の壁ドンは何の需要があったのよ。
って……

『それ、私の財布!!』

安室さんが持っていたのは、鞄の中に入っていたはずの私の財布。
嘘でしょ。やりやがったなこのイケメン。
自分のイケメン顔をフルに使って、壁ドンというキュンとする技をフルに使って、私の気を引いているうちに財布を奪ったのねこの男。

『何やってるんですか!!』
「返してほしかったら待っていてくださいね。送っていきます」
『はぁ!?私を送らずに帰って寝ろって言ったでしょ!私は歩いて帰るんだから返してくださいよ!!』

安室さんの手から自分の財布を取ろうとすると、パッと華麗に避けられた。
虚しく空を切る私の手。
再び同じことをするも、もう一度私の手は空を切った。
くそう。いつにも増して腹がたつわね。
もうちょっと身長縮みなさいよ。
そしたら取れるかもしれないのに。

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はりねずみ。(プロフ) - 由羅さん» 神だなんてもったいないお言葉です……!ありがとうございます! (2020年3月15日 17時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
由羅(プロフ) - 神、神ですね……神としかいいようがないです (2020年3月10日 14時) (レス) id: a829207c12 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - 笑々さん» ありがとうございます!!笑っていただけて嬉しいです!私自身、そんな感じの会話が大好きなので、安室さんたちにもやってもらいました笑 ありがとうございます! (2019年10月10日 23時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 名前を呼ばせるところで、早すぎだろなんか腹立つな は声をあげて笑いました笑 ありがとうございます笑 (2019年9月23日 10時) (レス) id: f052978bd7 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ここねさん» きゃー!ありがとうございます!!とても!すごく!本当に嬉しいです!!続編でも面白さとキュンキュンを追求してお話を進めれるように頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2019年5月12日 17時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はりねずみ。 | 作成日時:2018年12月12日 7時

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