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力は弱められたものの、未だに抱きしめてくる安室さん。
本当にどうしたのよこの人。
まるで子供じゃない。
言うことは聞かないけど、すごく甘えてくる子供。
でも、サイズがだいぶ大きすぎるわね。
…とか色々と平常心を保てるように考えてみたけれど、そろそろ本気で離してほしい。
心臓が激しく動きすぎて今度は逆にとまりそう。
緊張しすぎて死にそうよ。
「緊張してます?」
『…………してません』
「すごくドキドキしてるのに?」
『…気のせいじゃないですか』
「こんなに顔が真っ赤なのに?」
『それも気のせいです。…って、えっ。なっ、安室さ……』
何が何でも緊張してることを認めない私に、コツンとおでこ同士をくっつけてきた安室さん。
嘘でしょ。待って待って。近すぎる。
ちょっと動いたら唇つくわよ。
って、あれ?
この距離感、どこかで見たことがあるような……
『あ』
「“あ”?」
『っ〜〜〜!!!?ダメダメ安室さん早まっちゃダメよ!!』
「…………急に何ですか。何のことを言ってるんですか」
『ダメダメダメダメ。お願い離れて。現実でもそんなことしたらダメよ!離れてください!!』
「………。そこまで言われると、逆に離れたくないですよね」
『ひぃぃぃぃ!?ダメです。安室アウト!選手交代!!』
「なんで野球の実況中継風なんですか。それに交代する人なんていないで「それなら僕が代わりましょうか?」は?」
『え?』
顔を横に向けて声がした方を見ると、そこには眼鏡をかけた糸目の男性が立っていた。
あらら?
私は幻覚を見てるのかしら。
助けないぞって言ってた人が来てるじゃない。
しかもよりにもよって、このタイミング。
狙ったとしか思えないわよ。
さては、この状況を面白ろがってずっと見てたな。
「…………沖矢昴」
ボソリと呟く安室さん。
…まさか、安室さんってこの人と知り合い?
それにしては、いつもより声がワントーン低いし、険悪な雰囲気がぷんぷんとするんだけど。
この2人ってどういう関係?
『…安室さんって昴さんと知り合、んぅ!?』
「!?」
「…ホォー」
2人は知り合いなのかと安室さんに聞こうと思い、顔を前に向けると、
唇にふにりと柔らかい感触。
目の前にはドアップの整いすぎているイケメン顔。
……………。
……………。
……………。
…………は?
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はりねずみ。(プロフ) - 由羅さん» 神だなんてもったいないお言葉です……!ありがとうございます! (2020年3月15日 17時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
由羅(プロフ) - 神、神ですね……神としかいいようがないです (2020年3月10日 14時) (レス) id: a829207c12 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - 笑々さん» ありがとうございます!!笑っていただけて嬉しいです!私自身、そんな感じの会話が大好きなので、安室さんたちにもやってもらいました笑 ありがとうございます! (2019年10月10日 23時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 名前を呼ばせるところで、早すぎだろなんか腹立つな は声をあげて笑いました笑 ありがとうございます笑 (2019年9月23日 10時) (レス) id: f052978bd7 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ここねさん» きゃー!ありがとうございます!!とても!すごく!本当に嬉しいです!!続編でも面白さとキュンキュンを追求してお話を進めれるように頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2019年5月12日 17時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はりねずみ。 | 作成日時:2018年12月12日 7時