“好き”の色【テニプリ】

意地悪な彼氏【越前リョーマ】 ページ21

『……また遅刻？』
私はハアとため息をつきながら、彼をかくまった。
「部長には言わないでよ。走らされるからね」
彼は尊敬という言葉を知らないのだろか。
一応これでも上級生なのに……
まあ、ああ言われて手塚くんに言わない私も私だけど。

『早くアップしてソ〜ッと入ってね。手塚くんにバレないように』
「分かってるよ。俺、アンタより頭いいし」
『地味に私の事けなしてない？』


「……危ない！！」
『きゃっ！！』

『あ、ありがとう……越前くん』
越前くんは、ボールですべりそうになった私を支えてくれた。
「別に……ホント、先輩ってドジだよね」
『い、今のはボールが見えなかっただけ！』
「ふーん？」
ニヤニヤ笑う越前くん。
何なの、本当に…。

『……足、ちょっと擦っちゃってるから、保健室行ってくる』
「何言ってんの？」
『え？』

私はぐいっと強引に手を引かれ、部室へ連れていかれた。

『……部室でどうやって手当するの？』
「……こうするんだよ」
『え……っ！？』
私の膝を、越前君の舌が舐めていく。
『ちょっと、何して……！』
「そう言いながら、抵抗しないんだね。……ん、出来た」

最後に彼はばんそうこうをペタッと貼り、部室から出で行った。


『はあ……』

私の彼氏は、本当に意地悪だ。

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