【文スト】居酒屋からはじまる物語【中原中也】

其の弐は ページ4

四ノ宮A、今世紀最大にやらかしました。

よりにもよってポートマフィアの人に水をぶっかけるだなんて…


『も、申し訳ありません！！今すぐ拭くものを持って参りま』


「おい」


『ひぃ！？』


言葉を遮り、睨むように言葉を発した帽子をかぶった人

その人の髪からはまだ水が滴っている


やばい、これは本当にやばい。お父様、お母様、先立つ不孝をお許しください―――


「俺と飲め」


『…は？』


「俺と飲めっていってんだよ！！俺の酒は飲めねぇのかァ！？」


「めめ、滅相もないですぅぅぅぅ！！喜んでぇぇぇ！！」


頭から水をかぶっても酔いが醒めないとはどれだけ…？！

混乱した頭で取りあえずタオルを渡す


「それでよ、あのクソ野郎がなァ…！！」


されるがまま隣の席に座ると、いきなり愚痴をぶちまける男性に戸惑いながら苦笑いで相槌をうつ

どうしてこうなった…、と頭を整理するが

それは彼の話を聞いていないも同然の行為で。


「おい！手前聞いてんのか！？」


『ひぃぃ！すみません！聞いてないです！！』


あ、またやらかした、と思う暇もなく彼の怒号がとんでくる


「ンだと手前ェ！！」


『すみませんんん！！』


愚痴を聞きに聞きまくり、彼がつぶれた時には店の中には私たち以外に誰もいなかった

彼の同僚さん？あぁ、それなら気づいたらいなくなってましたよ…。


『あのー？起きてください、お店閉めますから』


机に突っ伏して爆睡。起きる気配など微塵も感じられなかった




―― 置いてって鍵かけてやろうかな

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