だるまさんは転ばない！

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｢めーーーっちゃおいしい！｣

｢お〜そりゃよかった｣


俺も一口食べて、ちゃんと美味しいことを確認する。


｢うん、うまい｣

｢私お料理はあんまり得意ちゃうからこっち住み始めたらだるまくんにご飯作りに来てもらおかな〜｣

｢掃除とご飯で持ちつ持たれつやな｣

｢んふふ、じゃあ近くで物件探さなあかんね｣


他愛のない話をしながらの食事はすごく幸せに感じた。Aとだから尚更か、なんて思う。


｢この後どうする？ Aどっか行きたいとことかある？｣

｢そうやなぁ……色々行きたいとか思ってたけど、いざ東京来てみたら人多すぎてちょっとビビってるんよなぁ｣

苦笑いしながら言うA。


｢めっちゃ分かる、まじで人多いよな。さっき来たとこやし、今日は家でゆっくりするか｣

｢うんそうやね、そうさせてもらおかな｣


Aは頷いて、食器を片付け始める。


｢あ、Aは座っとって。俺やるから｣

｢ごめんね、ありがとう｣


立ち上がろうとしているのを俺が制止すると、Aは素直にすとんと座り直した。

食器をシンクに運び、スポンジに洗剤を付けて泡立てる。Aはテーブルを拭いてくれているようだ。


｢ねぇねぇ、だるまくん｣

｢んー？｣


陶器製の食器を割ってしまうのだけは勘弁なため、視線は外さずに耳だけをAに傾ける。



｢あのね、私頑張って練習したから後で一緒にAPEXしようよ｣



ガシャーンという音が部屋に響き渡った。

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