【ヘタ鬼】手を繋いで-1-【APH】 (ページ10)

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今度は二階に上がりました。

二階も一階と同じような作りでした。

栗色の床、複数の部屋の同じ色をした黒のドア。

私達はすぐ近くの右側にあるドアを開けた。

サンマリノ「随分殺風景な部屋だね、ベッド、本棚、机がそれぞれ端に置いてある」

日本「そうですね」

すると私が目に留まったのは、モスグリーンのカーテンだった。

近付いたが開ける気はしない。

「…………い…」

今私の隣で声がした。

その声はサンマリノさんだった。

日本「サンマリノさん？」

サンマリノさんの肩を触ると、サンマリノさんはハッとなり、私を見る。

日本「大丈夫ですか？」

サンマリノ「いいえ……ちょっとさっきの変なの見てから頭の中が混乱してて…でもすぐ治るから…」

日本「⁈」

彼女の目を見た瞬間、一瞬何かが凍り付いた。

焦げ茶の目が虚ろになっていつもの笑顔が消えていた。

日本「サンマリノさん、無茶をしてはなりません、ここは丁度ベッドもあります、横になってください」

サンマリノ「で、でも日本君を一人にしたら…」

日本「大丈夫です、すぐ帰ります。」

サンマリノ「……わかった、君を信じて待つよ、くれぐれもお気を付けて。」