食後のデザート ページ49
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単行本最新43巻の内容がほんのり出ます。
未履修の方は注意してください!
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「卒業おめでとう」
『ありがとう。元也くんもおめでとう』
「へへ、ありがと」
高校の卒業式。
私は地元の大学へ進学、元也くんはなんと、プロの道へ進むことが決まっている。
距離的に遠くなるわけではないけど、毎日顔を合わせていた今までと比べたら寂しくなるなあ。耐えられるかな、私。
「ねえ、Aちゃん」
『なあにー』
「春から実家出る予定なんだよね?」
『うん、大学の近くで一人暮らしするつもりだよ』
「あのさ」
『?』
待つこと、数秒
「一緒に住まない?」
『え』
「Aちゃんの大学と、俺が所属するチームの練習場所、あんまり離れてないみたいだし」
そこまで言って、一呼吸。
「なにより、Aちゃんと毎日一緒にいたい」
『そんなの、私もに決まってるじゃん…』
「ほんと?じゃあ、ちょっと考えて見て欲しい。俺と一緒に住むこと」
『住む』
「え?」
『住むよ、元也くんと同棲する』
「…そんな即決して大丈夫?」
『私だって同じこと考えてたんだよ!…言い出す勇気がなかっただけで』
「そうなの?」
ぱちぱちと目を瞬かせる元也くん。なにそれ可愛い。
『元也くんさえ良かったら、よろしくお願いします』
「こちらこそ。うわ、待って。まさかすぐ返事貰えると思ってなかったから、実感無いや」
『…毎日元也くんと同じ家に帰るのか。そう考えたらちょっと緊張してきた』
「…俺も」
『………』
「………」
目を合わせて、どちらからともなく吹き出す。
こんな幸せな時間が、いつまでも続いたらいいな。
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元也くんのチームの練習がない日を使って、2人でたくさんの物件を見て回った。
最終的に決めたのは、駅から徒歩10分の新築アパート。好条件の物件だったけど、丁度空きが出たらしく、すんなり契約できた。
引越し当日。
下見は済んでいるとはいえ、玄関の前でなんだか緊張してしまう。
『し、失礼します…』
「ふふ、なんでそんな固いの。今日から俺たち2人の家なんだから」
『それもそうか…』
「じゃ、入ろっか。…ただいま」
『!』
「ほら、Aちゃんも!」
『うん、ただいま』
「おかえり」
『元也くんも、おかえり』
「やべ、俺今世界で一番幸せかも」
『大げさだよ。…私もだけど』
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ちっ素 - めちゃ面白かったです,,,!(一人でニヤニヤしながら読んでたなんて言えない←)古森くんの小説ってあんまないので凄い嬉しかったです😭そして古森くん、可愛いすぎです (2022年1月11日 23時) (レス) @page50 id: 8b9775abf6 (このIDを非表示/違反報告)
らき(プロフ) - ひーとさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて本当に嬉しいです(;_;)連載時から読んでくださってありがとうございました!^^ (2020年6月18日 1時) (レス) id: b8f86eff26 (このIDを非表示/違反報告)
ひーと - 完結おめでとうございますううううう!!!!!期待を裏切らない素晴らしい作品でした!更新お疲れ様でした! (2020年6月17日 22時) (レス) id: 13fdaa35ac (このIDを非表示/違反報告)
らき(プロフ) - 宙さん» コメントありがとうございます!ひえ〜嬉しいです…(笑)またいつか古森くん夢にチャレンジしたいなと思います!読んでくださってありがとうございました^^ (2020年6月16日 8時) (レス) id: b8f86eff26 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 古森くん可愛い…古森くんの作品もっと見たい(/_\)凄く素敵なお話でした!はぁ〜かわいい〜〜 (2020年6月16日 0時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らき | 作成日時:2020年5月19日 18時