佐久早くんって美味しそうだよね【古森元也】

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最大難度のミッションをコンプリートしたかのような達成感すら味わっている私。


『よし、元也くん、帰ろー！門のとこで待ってるね』

「…………うん」




……とは、正反対の元也くん。


えっ、なんで？さっきまで喜んでくれてたよね？


『えっと、どうかした？』

「着替えてくるね」

『あ、うん』


足早に部室に向かって行ってしまった。今の数分で何が起きたのだろうか。
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門の前で、待つこと10分。


「お待たせ」

『いいえー』



元也くんと、2人並んで歩き出す。

流れる沈黙。



…いや、気まずいにも程があるって。



『えっと、いよいよ明日からだね！』

「そうだね」

『…や、ほんとに何かあった？』

「何もないよ？」



拉致があかないよう。


どうしたらこの空気を打破できるのか、1人で悶々としていた。が、ついに喋ってくれる気になったらしい。



「………………お守り」

『うん？』


お守り？もしかして、よく見たら下手すぎてやっぱ嬉しくなかった的な？それは申し訳ない。


「俺だけだと思ったのに」

『…うん？』

「佐久早にもあげてるから」

『うん』

「ちょっと、拗ねました」

『………』






ひと言だけ、言わせてくれ。




私の彼氏が可愛い………





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