佐久早くんって美味しそうだよね【古森元也】

もぐもぐ39 ページ39

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私の言い分としてはね。


元也くんの分が予想より早く作り終わったのと、貰った写真がツーショットだったからさ。


2人でお揃っちだったらパワーも2倍かな、なんて。




当時の私は考えていたわけですよ。





でもね、冷静になってみよう？

男子高校生2人でお揃っちは果たして需要があるのか謎だし、何よりあの佐久早くんだよ？


私ごときの手作りを受け取ってくれるかどうか。




細菌扱いされたらどうしよう、泣いていい？





「オイ、本気で何の用なわけ」



あっ見るからに佐久早くんのイライラメーターが上昇している。ええい、腹をくくれ私よ！



『実は、佐久早くんの分もあるんだよね』

「は？」
「え？」



そう言って、もう1つのお守りを差し出す。元也くんはリベロだから色は違うけど、背番号なんかは同じように作ってあるので、お揃っちに見えないこともない。


「………」
『………』


無言の駆け引き。


受け取ってもらえなかったら、すっぱり諦めようと思います。




「………サンキュ」

『へ』






う、受け取った…！？



「じゃ、今度こそ先戻る」

『あ！うん！明日から頑張ってね！』




既に歩き出している佐久早くんの背中にそう叫ぶと、歩みは止めずにヒラリと片手をあげた。



なんだそれ、イケメンか。




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