├ ページ24
ざわめきが広がる大会議室のハロウイン会場……
驚くのも無理はない。
由唯自身にも、学校ではこういうキャラじゃないという自覚は、ある。
「ちょっと―――由唯くん」
衣装のジャケットが小さく引っ張られ、由唯は刹那に促されるように会場を出た。
刹那も慌てているのか、学校では“七瀬くん”呼びだったのが、“由唯くん”呼びになっている。
―――なんか、嬉しい…けど
ヤバい。これ、怒られるヤツだ――――
引かれていた腕は、刹那の足が止まると共に離された。
握ってくれてても、良かったのだけど…
じゃない。
―――やっぱり、怒ってる？
『―――ごめんね、せっちゃん』
怒られる前に、謝罪を述べる。
うつむいたままの刹那の顔を覗き込むと、恥ずかしさの為か頬を染め、口を一文字に結んでいた。
文句の言葉を選んでいるのだろうか……まだ言葉が出ない刹那に代わり、由唯は言い訳を並べた。
『えっと―――なんか、我慢できなかったというか。せっちゃん取られるんじゃないかって、不安になったというか…』
言い訳を口にすればするほど、カッコ悪さが露呈する。
余裕なんかない―――全然。
「取られる―――って」
やっと口を開き、ちらりと由唯を上目視る刹那。
君が―――他の男と話してたから。デートに、誘われていたから……
『ヤキモチ―――です』
……ほんと、ごめんなさい。
暫く クラスで揶揄われることは予想がつく。
刹那に、嫌な思いさせてしまう事はわかっていたのに、後先考えずに行動して、ゴメン。
深く頭を下げる由唯。
その時刹那がどんな表情をしているのかは、見えなかったけれど
戸惑っているだろうという事は、雰囲気で感じ取れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴桜(プロフ) - バイクレース勝った〜〜!!おめでとうです。続き頑張って下さい。待ってます。 (2021年10月5日 22時) (
レス) @page42 id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - シオンさん» コメント有難うございます、温かく見守って頂けると嬉しいです。 (2021年10月4日 22時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 可愛いです。セツにチュウルやっての可愛さがあります。続き頑張って下さい (2021年10月4日 21時) (レス) @page33 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年9月16日 0時
