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(―――もしかして俺、男として見られてない？)
己の思考に、一瞬血の気が引いた。
まさか―――とは思うが、今までの彼女の言動から、考えられなくもない。
『―――せっちゃん…』
肩に頭を乗せたまま、真相を確かめようと上目視ると、刹那は視線を逸らせながら、困ったように頬を膨らませた。
あ……かわい―――「由唯くん、結(弟)みたい―――」
頭上に、雷が落ちたような衝撃が、全身を駆け巡る。
動きが止まる……とは、この事か。己の身体なのに、指先一本動かせないショックを受けた。
(―――弟(結)かよ！！！)
脳貧血でも起こしたかのように、頭がふらつく。
―――だから、“好き”と伝えても、この反応か……。
あー。
確かに、夏季休暇に入ってからはロードレースも立て込んで、その後は厄介事が多くて、女狐(須藤)や親を出し抜くための裏工作に忙しかったから。
―――優先事項を ミス・トリアージしていたよ……
厄介事なんぞ、二の次だ―――
作戦変更……なんとかして、刹那に俺を、男としてみてもらわなくては 困る。
『―――ふぅん。弟……ね』
由唯は、刹那の肩に持たれたかけた頭を下に向けた。刹那の鎖骨に、そっと唇が触れる……
「ぴゃっ！」
頭の上で、小さな悲鳴が聞こえたが―――知らない。
―――見せてるものになんて、興味はない
君だから、追いかけたくなる―――
いいね。ますます俺を夢中にさせる
覚悟して…黒猫の姫―――？
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したたかであれ【刹那side】→←ゆいの憂い 【由唯side】
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作者名：しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年8月9日 9時
