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課題よりも先にお茶会を終えた８人は、やっと夏季課題に取り掛かる。
課題をほぼ終えている刹那は指導役…彼女に課題を手伝ってもらっていた由唯もまた、理数学の解き方を教えていた。
まぁ。年頃の学生がこれだけ集まって、ただ静かに課題に集中するとは思っていなかったが……
「でも、意外〜！男の子の一人暮らしの家って、もっと散らかってると思ってた」
「そうそう！七瀬の家、片付いているよね―――」
「そりゃ、女子も来るって言ってたから、いかがわしいモノは外に出してないだろ〜」
「いーや。オレはこのバイクバカにそんな甲斐性はないと見る。どうせその辺のリビングボードの中に入ってるのはバイク雑誌ばかりだ」
『オマエ等、好き勝手言うなら帰れよ』
集中力のすっかり切れた男友達が、にまにまと笑いながらリビングボードの戸棚を開いた。
「ちぇ。やっぱりバイク雑誌ばかりじゃん」
詰まらなさそうに、戸棚に片付けていた雑誌をぺらぺらと捲り出す。
勝手に開くなと声を出すも、誰も聞いている様子はない。
本当に、こいつ等何しに来たんだ―――。
『悪いが。ご期待に沿えるものは この家に無い。いい加減勉強しろ！』
その“意味”を理解しているだろう女子達は笑っているが、刹那はきょとんと首を傾げている。
(あー せっちゃんは、知らなくていいよ♪
―――知りたいなら、教えてあげるけどね)
「え、どういう事？」と女友達に訪ねているが、彼女からも「アンタは知らなくていいわよ」と流されている。
(やっぱり―――せっちゃんはそういう立ち位置なんだ)
思わずくすくすと笑いが込み上げた。
「もしかして、これ…七瀬？」
「うそ、七瀬バイクのレースやってんの？しかも、優勝って―――」
一人が声をかけると、他の女子達もリビングボードの雑誌に集まる。
(これは、話するチャンス―――？)
ぽつんと残された刹那に声をかけようと振り向くと、由唯よりも先に男友達が刹那の隣に座り、親し気に話しかけていた。
『―――ッ…』
二人の間に割って入ろうと腰を上げる由唯の腕を、雑誌に集まる女子が引っ張る。
「七瀬、これ―――」
『―――っえ？ちょっ……と』
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作者名：しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年8月3日 23時
