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「──ちょ!大丈夫?!」
支えてくれた温もりと声も彼を思わせる。
あれ?ウチってこんなに寂しがり屋だっけ?

目の前を漆黒が埋め尽くす直前に見えた飴色が………酷く 恋しい。



無意識に伸びる手。
掴めることのないそれを求めて──。








「────せっちゃん?」
伸ばされた手は彼の頬を伝い目元を這う。
光に反射した飴色の傍を親指のはらで撫でた。

綺麗だなぁ……。

「ぁー………せ、せっちゃん?」
飴色が揺れる。困って、る。



………あれ?


朧気だった景色が鮮明になり、彼が──頬をほんのり染める由唯くんがなんとも言えない表情でこちらを見下ろしていた。
彼の頬には、ウチの手が──

『っぁ、ごめ「離さないで」──っ』
なんて大胆なことを?!
咄嗟に離そうとした手に、彼の手が重なった。
理解した瞬間頬には熱が集中しだす。

目を細め和らぐ飴色がこちらに近づいてくる。ウチは吸い込まれそうな気持ちになり体が固まったまま動かない。

額と額が触れ合う。ウチは思わずビクリと体を振るわせ目を固く結んだ。



「────まだ熱いな」
そう言って離れていく気配に、ウチは恐る恐る目を開けた。

「ごめんね、俺の風邪を移しちゃったかも」
『……それ、何日前の話?』
「じゃあ、セツとのあれで疲れちゃった?」
『……たぶん、違う』
「あれ?」
何事も無かったかのように笑う彼を、ウチはぼう、と見つめていた。

手はまだ繋がれている。
それが酷く安心できて、眠気を誘う。

「まだ寝てて良いよ」
むしろ寝てて。
額に濡れタオルが乗る。そのまま頬に伸びる手のひらが少し冷たく感じた。
一瞬で離れちゃったけど。


握られていた手が離れそうになる。
それが嫌で、無意識に強く掴んだ。

『……もう少しだけ、このままで』
由唯くんは目を見開くもすぐに柔らかく細められ「喜んで」と強く握り返してくれた。

暖かい。安心する。




やっぱりウチ───由唯くんが、好き。





ゆいのゆめ 1/3 【由唯side】→←無意識に望む【刹那side】



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作者名:しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年8月3日 23時

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