蜂蜜とお砂糖

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「じょんはんくん、じょしゅあくん…」


なんてうまく回っていない舌で、とろんと溶けた瞳で名前を呼ばれて、どきりとする。



「なぁにA」

「どうしたの？」

なんて僕とハニがAに応えると、







「へへ…だいすき」




なんて、ふにゃっと笑ってAはそう言った。



そこで僕はなんだか、今までジョンハンと2人で張っていた理性の糸が、ぷつりと音を立てて切れた気がした。



ぱち、とジョンハンと目があってから、僕はAに問いかけた。



「そんなに僕らのことが好きならさ、付き合おうか？僕たち」



「え、？」



「俺とシュアのこと大好きなんでしょ？A。
俺たちもAのこと好きだから、付き合おうよ」


「でも、ふたりだよ？じょんはんくんと、じょしゅあくん、
…おかしいよ、」


「じゃあAは僕とハニどっちか選べるの？」


「…えらべない」


「じゃあいいじゃん。俺もシュアもAのこと好きだし、どっちかがフラれるのもやだし。Aも選べないんでしょ？」


「でも…」


「僕らがいいって言ってるんだから、ね？」



「うん…いいの、かな、」



なんて、Aは困ったような顔で僕たちを見つめる。酔っ払って頭も回ってない時にこんな風に誘導尋問されちゃって可哀想に。まぁ僕たちAを逃す気なんてさらさらなかったしね。



思ったより3人でいるのは居心地がよくて、もちろんAとは付き合いたいけど、それでこの3人の関係が崩れるのは嫌だった。



だったら僕ら2人がAと付き合えばいいじゃん。なんて、小学生みたいな思考だった。普通は誰しもがそんなの嫌がるだろうけど、相手がハニだったから、なぜか嫌に思わなかった。むしろそのせいでAが離れていくのが怖かった。だからこれは僕とハニの共同作戦。

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