2 ページ35
実はその答えは殆どAIコンピュータにあった。
俺はそれを組み立てるだけだった。
だからーー。
涼介「慧兄!いつまでご飯食べてるのさ!早く、研究所に行って昨日の結果を見ないと」
慧「はい。はーい。急ぎますよ〜」
涼介は再び活動を開始した。
俺達と同じ人として。
生活エネルギーを補充することも特別食を食べることもない。
俺達と同じご飯を食べて、同じ様に成長する。
しかも、前より感情が豊か。
頭脳は前と同じで知能が高いから、俺と一緒に研究者をやっている。
なので、マイペースな俺は時々、しっかり者の涼介に怒られていた。
まあ、母さんにも時々怒られていたけどな。
それと。
涼介は自分がクローンだということを知らない。
活動を開始する前にクローンにまつわる記憶を消した。
代わりに入れたのはもちろん、オリジナル涼介の記憶。
当然、オリジナル涼介の死については入れていない。
涼介は世界の汚染をきっかけに賢者の監視から解放された…となっている。
実はこのプログラムは賢者の研究所にある涼介の部屋に隠されていた。
もしかしたら、オリジナル涼介は自分の死が近いと知った時にクローンが生まれる事を分かっていたのかもしれない。
だから、クローン涼介が辛くないように俺達と自然に暮らせるようなプログラムを作ったのかも。
まあ、今となっては憶測でしかないけれど。
もし、この先、涼介が自分はクローンだと知ってしまったら、俺達兄弟は涼介の心のケアをしっかりとしていこうと決めた。
「まだなのー!?」と叫ぶ涼介の声にため息を落としながら、食事の後始末を光に任せて、涼介の待つ玄関に向かった。
何はともあれ、俺達の物語はこれから始まる。
289人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hina(プロフ) - 涼介さん» 随分前にコメント下さったのに返事遅くなってご免なさい。面白いと言ってくださって嬉しいです。有難うございます。 (2021年4月21日 22時) (レス) id: 255c6bfbbf (このIDを非表示/違反報告)
涼介(プロフ) - 天才すぎます。はい、ただただオモロい。失礼致しました。w (2020年12月26日 19時) (レス) id: d7d73abaf2 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - Rare fruitさん» 有難うございます。以前にも誉めて頂いて嬉しい限りです。尊敬は照れますね。 (2019年3月15日 7時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - 完結おめでとうございます。hinaさんの作品はどれも最初から設定がしっかりしていて、わくわくする展開の連続で、すごいなあと尊敬しています。新作すごく楽しみです!待ってます! (2019年3月13日 22時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 本当にいつも嬉しいお言葉、有難うございます。来週あたりにお話、出せたらいいなと思っております(あくまでも予定ですが) (2019年3月7日 22時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:hina | 作成日時:2019年2月1日 21時