ドロと刑と虹と2 ojym 【完結】 (ページ29)

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「いや、それって係長が決めたことやん」

係長は最近、頻繁に警視総監に会っていた
20年前、虹の見える丘公園の騒動が起こった時、県警本部で政治家たちとの折衝に当たっていたのが当時キャリアとして赴任していたのが真鍋警視総監だった

「真鍋は騒動をまとめ、当時の橘市長からいたく気に入られた。総理とはそれ以来の仲。つまりお友達」

「そして俺たちは、その警視総監の意向をくんだ係長によって煙鴉を極秘逮捕し、口を封じるために集められたメンバーだったんだ」

「うそやん」

「今回官邸への侵入を許したことで責任を問われた鯨岡は俺たちを切り捨てることで自分のクビの皮一枚残すつもりだ」

『最初から、私たちを…』

「あぁ、捨て駒だ。恐らくしばらく家から出て来ないつもりだろ」

「じゃあ俺たちは何だったんだよ！」

「煙鴉の捜査は？」

「一課に移った。斑目の発砲、刑事への殺人未遂だ。射殺の可能性もある」

「許せない…そんな思いで13係を。係長は港区の官舎にいるんですよね？」