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被疑者の鳥飼和子がお弁当を食べる横で見張り、お喋りする美希ちゃん。隣の部屋で斑目くん、私、皇子山さん宝塚さんの順でお弁当を食べる
「プレッシャー？」
「万一、失敗したらどうしようとプレッシャーから吐いたんやて」
「ハァ…ひ弱だねぇ、近頃のは」
『斑目くんとは大違い』
「どういう意味ですか！でも何か取調室で昼食って味気ないっすね」
「当たり前だろ、被疑者なんだから」
「でも何か悪い人には見えないけどなぁ」
「アホかぁ！！余罪65件や！！今まで捕まらんかったのが不思議なくらいやで」
『ふふ、皇子山さん米粒こっちにもついてます』
勢いよく食べながら喋る宝塚さんを見たら隣の皇子山さんの顔に米粒が付いているのが見えた。宝塚さんの米粒が飛んだのであろう。皇子山さんは自分で一粒取るがもう一粒気づいていないようで私が取ってあげる
「…」
「今日日の若者は無防備過ぎんねん。ちょっと優しい言葉掛けられたらすぐええ人やと思いよる。…なんや皇子山、Aの手見て固まってるやん」
『皇子山さん？』
皇子山さんの顔の前で手を振ってみるが微動だにしない
「あかんわ、使い物にならん。ほんま恋愛初心者やな。A、皇子山の手でも握ったり」
よく分からないが、皇子山さんの手に自分の手を重ねてギュッとしてみる。大きな手で温かい…お父さんの手みたい。
少し経つとすごい勢いで席から立つ皇子山さん
「え、なっなんっで！！」
「自分しっかりしぃや」
『皇子山さんご飯食べる時間なくなっちゃいますよ？』
「あ、あぁ」
動揺を隠しきれない皇子山さんは凄い勢いでお弁当を食べると、少し出てくると言って取調室から出て行った
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作者名：mata.nab | 作成日時：2019年11月23日 9時
