転生して火消しになるお話。4 (ページ33)

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紅丸side

｢手術が終わりました。麻酔も切れていますが、目覚めるのは明日以降になるだろうとの事です｣

第6の中隊長にそう言われ、眠るAを見る。

刺さってたという長刀も見たが.......
あんなのが貫通してて明日起きれるもんなのか？？

｢.......信じ難い話だな｣
｢そんな凄腕の医者が居たんだなぁ.......｣

紺炉と話していると、急にAの目が開く。
｢紅丸、紺炉｣
｢.......A.......？？｣

あまりにも自然に、いつも通り変わらずに起きて俺らの名前を呼ぶAに驚いたが.......

｢.......っ！！！？！｣
｢紺炉、落ち着け。｣

驚かされるのが何よりも苦手な紺炉は胸を抑えて退いていた。

その後第6の大隊長と第8が部屋に入ってきて、Aが自分の能力について淡々と話始めていた。

.......何の話してんだ？伝導者ってなんだよ.......
そいつらにまだ命狙われてるってなんだよ.......

自分の知らない事ばかりで、落ち着かねぇ。

話し終えたと思ったら、無理に明るく話し続けているA。

.......この感情の篭ってねぇ笑顔、あの時以来だ。
身篭っていた子供も死んじまって、3ヶ月眠り続けた後の、心が病んだままのAを思い出す。

途切れ途切れで話し続けているAの呼吸も浅く、無理しているのが分かる。

第8が居ようが関係ねぇ。

話し続けようとしているAを抱き締め、紅月を寝かせるように身体をポンポンと叩いていると寝息が聞こえてきた。

｢.......紺炉、どう思う｣
｢前と同じだ。まるで、心が病んでるみてぇだ｣
｢.......やっぱりか｣

手術前に首から外されていたネックレスから指輪を取り、そっとAの左手薬指にはめる。
自分の指にも、同じものを身に付けている。

Aの手を握っていると、第8の大隊長から声をかけられた。

｢......A中隊長は、以前も似たような事が.......？｣
｢.......何も聞いてねぇのか？｣
｢リヒト捜査官や森羅には少しは話しているようですが.......。｣
｢.......紅月が産まれる前だ.......結婚1周年の日、Aは当時妊娠4ヶ月だった。皇国に来たんだよ。その日の帰り道、Aは毒を盛られた。3ヶ月眠り続けていた。身篭っていた子供も死んじまった.......
犯人についてAの兄貴が調べるって言ってたが、正体はまだ俺や紺炉には知らされてねぇ。.......が、白装束で間違いねぇだろうな。｣

話終えると第6の大隊長がまた部屋に入ってきて、そのまま浅草へ搬送された。