第8所属 ページ19
｢で、何で第8に居るの？｣
｢第8には科学捜査班が居なかった。で、最近皇国から全消防官隊に、科学捜査の強化を行うよう通達も出た。｣
｢で、名乗り出たと？｣
｢そーゆーこと。｣
そう言い、リヒトさんは森羅くんを見る。
｢アドラバーストを持つ森羅くんに興味あるんでしょ｣
｢ありゃ、分かっちゃった？｣
｢うん、分かりやすいもん｣
｢.......森羅くんの生き別れの弟もアドラバーストを持ってるらしいんだ｣
｢.......生き別れの弟？｣
｢あれ、聞いてない？｣
リヒトさんはそう言い、森羅くんの弟の事を教えてくれた。
｢.......。そんな過去が.......？｣
｢ずっと死んでたと思っていた弟が生きていて、更に白装束のトップ的立ち位置になる。｣
｢.......そりゃアレだけ必死にもなるよね｣
猛スピードで上空に飛んだ勢いのまま、アーサーくんと2人で紅丸から組手を受けている。
｢ごめん正直に言う。今の森羅くんは非力に感じる｣
｢.......アレで？｣
｢紅丸が能力を使っていない。.......となると、私にも容易く受け流すことができてしまう。
弟さんの能力は見た事ないけど、今のままでは1人では厳しいと思うんだ｣
｢流石最強と名高い第7大隊長の奥方様。手厳しいね｣
｢.......あくまで客観的思想だよ｣
そう呟くと、リヒトさんから小声で耳打ちされた
｢なら、手伝ってくれる？｣
｢.......何を？｣
｢白装束の調査｣
.......一度、白装束に命を狙われたことがある。
実際にそれで3ヶ月の間眠り続けていたし、当時身篭って居た子も流産してしまった。
そいつらを仕留める事が出来るかもしれない。
勿論、リスクは高い。
けど、答えは決まっている。
｢やってやろうじゃねぇの｣
｢うん、きっとそう言うって思った｣
肩に手をポンっと乗せられ、我に帰る。
｢.......でも、いいの？｣
｢きっと皇国は第8だけに許可を下ろすと思う。
.......なら、一時でも第8になればいい｣
｢というと？｣
｢まぁ、僕に任せてよ｣
そう言うリヒトさんは何時もよりも真剣な顔をしていた為、何も言い返せなかった。
｢白装束の拠点はネザーだと思うんだよね｣
｢.......ネザー......というと、今は無き地下鉄？｣
｢そうなるかな。｣
｢地下鉄かぁ.......音が響く環境苦手何だよなぁ.......｣
そう言うと、リヒトさんは口角を上げて見てきた。
｢第8には優秀な機関員が居てね？｣
｢.......？うん。｣
｢その子に頼んでみる｣
｢.......分かった｣
思わず承諾してしまった
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作者名：ぴぃ | 作成日時：2020年12月15日 21時
