前夜 ページ6
遂に紅丸の誕生日の前日となった。
.......最近紅丸は詰所にいる時間が少なく、まともに顔も合わせていない。
若頭だし、仕事溜まってたのかなぁ.......
紅丸の事だから浮気とかしないだろうけど
ここまで会うタイミングにズレがあると心配してしまう。
部屋で1人考え込んでいると、ふと
｢A、今大丈夫か？｣
と、紅丸が襖を開けて部屋に入ってきた。
｢....どしたの？｣
｢いや、ちと確認してぇ事があってな｣
｢確認？？？｣
ポカンとしている私の正面に、珍しく正座する紅丸。
あまりの珍しさと突然さにびっくりして硬直する
｢え、な、何？どうしたの？｣
｢.......改めて言う。｣
｢え、はい。何でしょう.......｣
こちらも思わず姿勢を正して向き合う。
｢俺はAの事を心から好きだ。昔から好きだ。
誰にも渡さねぇ、触れさせもしねぇ。一生離さねぇ。
だから.......その.......俺と結婚しよう。｣
あまりにも真っ直ぐ、緊張した面持ちで
頬を赤らませながら言う紅丸。
とめどなく溢れてくる涙で上手く話せない。
何度も、何度も、口を開閉させ、
グッと堪えながら、精一杯
｢こんな私ですが、よろしくお願いします｣
と言った。正直、言葉になっていたか分からないが。
｢良かったぁ.......浮気されてなかった.......｣
｢はぁ？てめぇ何の心配してんだよ｣
｢だってココ最近あまり会わなかったから.......｣
｢あぁ、それは明日の準備してたからな.......｣
｢明日？｣
｢誕生日にお前が欲しいって言ったろ？｣
｢.......そんな話してましたね｣
｢だから式の準備してたんだ｣
｢式ぃ？？？？？｣
いや、確かに。確かに任せろと言われていたよ。
でもパートナーに前日まで内緒にするってどんなサプライズよ.......
｢もし断られたらどうするつもりだったの？｣
｢断るわけねぇだろ？｣
｢まぁそうでしたけども.......。
第一私結婚式の流れ分からないんだけど？｣
｢あぁ。俺もキチッとしたの好きじゃねぇ。だから浅草中の奴らに声掛けて、人前式にする｣
人前式。要はフリースタイルにするんだろう。
｢.......何やるの？｣
｢まだ言わねぇ。明日Aは早くから準備してもらうことになっから、今日は着物屋のバァさんの所に泊まれ｣
｢.......え？｣
｢バァさんにはもう話つけてる。大丈夫だ。｣
そう言い手を取られ、着物屋まで連れていかれ
｢.......じゃ、また明日｣
と去っていく紅丸。
.......振り回されてるよなぁ
そう思いつつ思わず笑みが零れた
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ぴぃ(プロフ) - 琥珀さん» 初めまして！ご覧頂きありがとうございます！今後も頑張ります！是非とも宜しくお願いします！ (2020年11月30日 14時) (
レス) id: 46f3c7832d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - ぴぃさん初めまして、続きが楽しみにしてます。応援してます。頑張って下さい。 (2020年11月30日 12時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ(プロフ) - 柚子茶さん» コメントありがとうございます！御褒めの言葉、とても嬉しいです！今後もどんどん更新して参りますので、よろしくお願い致します！ (2020年11月28日 16時) (レス) id: 46f3c7832d (このIDを非表示/違反報告)
柚子茶 - 主人公の絵を見ればドンピシャ、読むにしてもとても読みやすくてすぐ読み終わってしまいました。失礼を承知で聞きたいのですがあなたは神様ですか？更新待ってまーす！ (2020年11月28日 15時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぃ | 作成日時：2020年11月27日 17時
