擦れた女落とし方【宮侑・宮治】 (ページ23)

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『座って』

そう言われ仕方なく座る

何なの、怖い

『名前なんて言うの？
どこに住んでるの』

「ちょ、なんですか!?」

席から立ち上がれば

両手を捕まれ

無理やり座らせようとする

『君のこと知りたいんだ』

「やめ！……ｯ誰か」

そう声を出しても
スマホをを向けるか
見て見ぬふりをするか

最低だ

誰も助けてくれないなんて

ちょっと泣きそう

急所を蹴りあげよう。

もうそれしかないな

はぁっとため息をつき
焦りを落ち着けようとした時

『おい、その手どかせや』

『誰の女に触れとるんや』

凄みのある声が響いた

『は……？双子？』

「……タイミング良っ」

『警察に突き出されたいんか？』

「……もういいよ
ありがとう」

2人の背中を押しながら
歩き出せば

メンチを切り続ける双子

『なんや、ナンパか？』

『俺らのが見た目ええのに

なんで！
よりによって！
なんで！
陰キャなんや！？』

指を指してギャンギャン喚く

「見た目どうこうよりも
気持ち悪かったし

なんか不気味だったから
助かったよ」

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