泥棒子猫ちゃんを飼い慣らす方法。*緑*

-40- ページ40

*忠義side*



　


　
Aがキッチンで準備をしてくれてる間、俺は寝室で自分の服を片付けてた。

まさかご飯が用意されてるなんて思いもしなかったけど、これもAがこの生活を受け入れてるって証拠。

思いの外、慣れるん早かったんちゃう？

やっぱり俺の愛情がしっかり届いてたんかな？

そんな事を考えて、１人笑みを零してる時やった。




　




　

))〜♪


　

大「…？」



　
何か小さな電子音が聞こえてきた。

俺の携帯はこんな音ちゃう。

って事は…。



　


貴重品をしまってある棚の奥、こっそり隠しておいたAの携帯を引っ張り出す。

画面の上のランプが光っとった。

俺は焦燥感に駆られて、ロックもしてないAの無防備な携帯を開いた。

それから何の躊躇いもなく、メールBOXを確認する。




　


　
“登録しました！

　この間はどうも！
　早速なんやけど、今度飯行かへん？”



　

…続きはまだあったけど、ここまで読んで俺は未読に設定し直し携帯を閉じた。

このメールの差出人なんか、見ないでもわかった。



　


　
　
……子猫って、ほんま好奇心旺盛。

放っておけば気になったもんの方へすぐに行ってまう。

自分で痛い目見いひんと、反省せえへんねん。

正にそれがA。

昨日あれだけ言ったんに、翌日にはこのザマや…。



　

　
俺はその携帯を仕事用の俺のバッグにしまった。

家に置いておくと、また探し出されてまうから。

Aをとにかくこういった外界の誘惑から遠ざけな、一応立派な大人やし、何をしでかすかわからん。

初めからこうするべきやってんな。



　
　
１つ問題を解消して、スッキリした気持ちで俺はリビングへと戻った。


　
　

-41-→←-39-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す