ピアノが弾ける私が好きになったのは駆逐系男子です

三十三章　兵服 ページ34

「A！ベレーネ！

兵服取りに行こう！」

「兵服…？」

私とベレーネはミーナの顔を見つめ

頭に？を浮かべる。

「ジャケットならもらったよ…？」

「違うよ…靴とかいろいろ……」

「うーん……」

ベレーネはまだ理解してないそう。

「とりあえず行けばいいんでしょ？」

「うん。」

ミーナは深く頷く。

「行けば分かるって。行こう、ベレーネ。」

「う、うん」




ギイィ、と本部のドアを開く。

「失礼します……」

「貴様らは何しにここへ来た！」

いきなり罵声を浴びる。

「ヒィッ」

ベレーネはミーナにくっつく。

「えっと…へ、兵服を取りに来ました…」

罵声の主は何も言わずにただただ私を睨む。

「A！心臓ポーズ！！」

ミーナが小さい声で私に言う。

「えっあっ、」

心臓ポーズをババッと行い、

「104期訓練兵団のAですっ！

兵服を取りに来ました！」

涙目になりながらも私は言う。

「……」

罵声の主は数秒目を閉じ、

箱の中から靴などが入った袋を三つ私に差し出した。

「ありがとうございました！」

心臓ポーズも忘れずにそう言った。





「あの人誰だったんだろうね……」

「きっと教官よ。厳しくしつけて

私達を立派な兵士にしてくれるわ。」

ミーナが微笑みながらそう言う。

「ふぅん。」

三十四章　入団式→←三十二章　友達。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す