46. ページ5
「いいじゃん、無理して忘れなくても」
裕太に言われたその言葉で気持ちがとても楽になった。
甘えていいよ
強がらなくていいよ
気遣わなくていいよ
そうして、そんな風にいつも言ってくれる裕太にいつの間にか惹かれてたんだよな。
なのに...何故にここでまたツトムと会っちゃうの？
パチパチパチ
会見が終わったようでゾロゾロとキンプリメンバーが帰ってくる。
永「わー！Aさんじゃないすか！お疲れ様です！」
平「え！なんでいるんですか？！」
みんな私の顔を見るなり、驚いた顔。
A「デビュー本当におめでと。あれ？聞いてない？」
岸「なんにも聞いてないっすよ。俺ら、今日の朝ジャニーさんにYou達デビューだよって言われたんで」
そういえば昨日吉田さんそんなこと言ってたような...
神「気になるんですけど、今からちょっとファンの子達のお見送り行くので後で詳しく聞かせてください！」
落ち着く暇もなくバタバタとみんな出口に向かっていった。
ツ「俺もあとでみんなに挨拶したいんやけど。帰ってくるまで一緒におってもいい？」
後ろからひょっこり現れるツトム。
A「いいけど」
ツ「そうや！名刺交換せな！」
そう言ってジャケットの内ポケットから名刺ケースを取り出して、ビジネスモード。
ツトムに合わせてわたしもカバンから名刺ケースを取り出す。
お互い向かい合って、
ツ「○○ミュージック、A&Rの香川ツトムです。よろしくお願い致します」
A「ジャニーズ事務所マネージャーの青山Aです。よろしくお願い致します」
ツ「なんか変な感じやな笑。お互い標準語ってのも笑えるわ」
A「確かに笑」
ツ「ここにおってもあれやし、楽屋の近くで待っとこや」
こうやって2人並んで歩くと、付き合ってた頃の記憶が蘇る。
懐かしいな...
ツ「よっこいせっと」
楽屋の近くにあるロビーのベンチに2人で腰を下ろすなり、
ツ「あ、ちょっと待ってて」
すぐ立ち上がってどこかへ向かったツトム。
待ってる間に名刺を見返して社用携帯にツトムの番号を登録する。
まさかこんな日が来るなんて。
裕太に言った方が良いのか？
言わない方が良いのか？
どっちが正解なのか下を向きながら考えていると、視界にスっとほっとレモンが入ってきた。
ツ「会場の裏、乾燥してたから喉乾いたやろ？」
A「わ！ありがと」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sakura | 作成日時：2018年2月15日 22時
