まえあしマネージャー 3 (ページ1)

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「Aちゃんのこと、誰よりも大切にするから」

キスの嵐の間に言われた裕太からの言葉。

思い出す度、幸せすぎてニヤニヤが止まらない。

次の日、舞い上がる気持ちをおさえ番組の打ち合わせへ向かう。

吉「青山さん今日これで仕事終わりだよね？」

A「はい！そうです！」

吉「デビュー会見覗いてきたら？まだ間に合うと思うから」

挨拶だけでも早いうちにしておいた方がいいよね。
会場に到着すると、もう会見は始まっていた。

みんなに会うのって裕太と太輔が出てたアイランド以来？
1年ちょっとしか経っていないのにみんなすごい大人になってる。

若者のパワーについていけるかな...？
なんて不安も持ちながら袖から会見風景をチラチラ覗く。

「もしかして青山Aさんですか？」

ふと後ろから呼ばれるフルネーム。

振り向くと見慣れた顔。
最後に会った時と全然変わってない。

A「ツトム！なんでおるん？」

自然と出てしまう関西弁。

ツ「やっぱAやん！うちの会社とレーベル組んだらしいで。俺、このグループ担当になったから」

A「わたしもこのグループ担当やねんけど...」

ツ「マジで？！そんなことある？！」

ああ神様。
なんでこんなにも偶然と偶然が重なり合ってしまうのでしょうか…

ツトムは高校からの同級生。
サッカー部のエースだったツトムは性格も優しくおもしろくて、女子からはもちろん男子からも人気があり常に輪の中心だった。

陸上部だった私は、ツトムの存在は知っていたけど同じクラスにもなったことなかったから話すこともなく、長期休み中のグランド交代の時に会釈するくらいで。

そして卒業後、進学のために上京。

入学式が終わったあと帰ろうと思ったら誰かに肩を叩かれて、

「青山さんやんな？」

振り向くとツトムだった。

ツ「やっぱり！新入生挨拶の時に名前聞いて、顔みたら青山さんやったからびっくりしすぎて目ぇ飛び出るかと思ったわ！代表で挨拶するとかすごいやん！」

初めての一人暮らし。
新しい環境。
身よりもおらず、知らない人だらけ。

ツトムは、そんな不安ばっかりだった上京ライフの心の支えだった。

高校の時は１回もしゃべったことなかったのに、ツトムの話しやすい性格のおかげですぐに仲良くなり、学部は違ったけど空き時間がかぶった時には食堂でお菓子を食べながらくだらない話をしてバカ笑いしたり。