まえあしマネージャー

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8センチ…5センチ…




どんどん近づく顔と顔。




A「ちょ、ちょっと待って！」




裕太の肩を持ってバッと引き離した。




玉「ごめん、嫌だった？」




裕太の優しい声が心に突き刺さる。




嫌じゃない、嫌じゃないけど
このままいってしまうと
裕太への気持ちが止められなくなりそうだった。




始まってしまったらいつかは終わりが来る。




終わりが来た時の悲しみや、
仕事への影響を考えると
今のままマネージャーとタレントという位置で
裕太と一緒に居られる方が
よっぽど幸せだ。





A「ごめん、用事思い出したから帰るね」





裕太の家を飛び出し、
エレベーターを降りながら
自分がマネージャーという立場であることを
初めて恨んだ。





藤「おっ、A髪切ってんじゃん」




久しぶりに会う太輔。




裕太ともあのキス未遂以来に会ったが、
やっぱり気まずい雰囲気で
太輔の家まで車内はお互いほぼ無言だった。




A「こんな短くしたの小学校以来かも笑」





藤「すげー似合ってる。な、玉？」





玉「あー、うん」





藤「あ...体調も良さそうだし安心したわ」





裕太のそっけない返事に太輔は何か感じたのか
すぐに話をすりかえてくれた。




A「あの日は本当ごめんね。体調管理気をつけます...」





2「あー！Aちゃんめっっちゃ髪切ってるじゃん！」





楽屋に入るなり響き渡る大きな声。
思わず耳を塞ぐ。




A「舞祭組大阪お疲れ様。次名古屋頑張ってね」





2「聞いてよAちゃん！大阪で千賀がさ...」





ニヤニヤしながら千ちゃんを指差す。





千「あー！ニカ！！ダメ！バカ！それは言わないで！」





咄嗟にニカの口を塞いで２人でキャッキャ笑い合いながらあーでもないこーでもないと話し始めた。





本当この2人はいつも騒がしいな。




亮「よっ」




静かな廊下に出ようとドアを開けると亮太と鉢合わせ。





A「久しぶり」




亮「大晦日、倒れたって聞いたけど。大丈夫なの？」




A「みんなに迷惑かけちゃった。でもこの通りもう元気だよ」





元気モリモリポーズをしてアピール。





亮「１人暮らしだし大変だったんじゃない？連絡くれたら色々持って行ったのに」




それは裕太が全部用意してくれたんだよな...




A「あー、うん、意外と大丈夫だった」




亮「そういや吉田さんに聞いた？」




A「ん？何を？」

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