【◇】Starting Over

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お前なら大丈夫、と言われてこんなに安心感のある人は他にいるだろうか

いつもは言う側だからかどんな反応をしたらいいのか分からずAは…









A「そうかな、ありがとう」









いつもじゃ絶対に言わないありがとうという言葉を口にした

ここまで色んな言葉をかけられて、少し折れかけていたAの気持ちがしっかりと立ち直り

自分はああしたいんだ、こうしたいんだという心の声も次第に大きくなっていくのがわかる









御幸「何だよ、まだ落ち込んでんのか？」

A「元々落ち込んでなんかないよ、ただなんか…思い出して不安になっただけ」

A「それと私が色々言われるのは別になんとも思わないけど、なんの価値もないこの場所にいても無駄だって言われたのが悔しくて」









ぎゅっとAの手に力が込められた

そんなこと絶対にないのに、というかのように









A「なんの価値がないなんて、そんなわけないし…何も知らない人にみんなのことを決めつけてほしくない」







どうやら

Aが生まれて来なければよかったという言葉にみんなが自分の事のように怒ったように

この場所を馬鹿にされたも同然の言葉にAもまるで自分の事を言われたように怒っていた

気持ちはほとんど同じらしい。









A「結果が出てないって、そうかもしれないけど…だからってなんで離れなきゃいけないの」







何も知らないのに勝手に決めつけられた挙句

そんな場所にいる価値がない、勿体ないと言われた

Aは自分の意思で野球部のマネージャーとしていることを選んだ

叶えたい夢があり、支えたい人がいたから

その気持ちに無駄なんてことは一切ない。









御幸「じゃあ、勝てばいいだろ」

A「え」

御幸「勝てば文句言えねぇよ」

A「ちょっ…あのさぁ、たしかに秋大優勝目指してるけどそんなサラッと決められることじゃないんだよ！？」









Aがいる価値がある場所

結果の出せる場所

Aが力を注いだことは無駄じゃない

その全ては勝てば証明できるのかもしれない。

勝ったらなにもグチグチ言えなくなるだろうが、勝つと言って勝てたら今年の夏この学校は甲子園に行っているだろう。









A(当然稲実だっているし、他にももっと強いチームがいるのに)

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