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【yg side】
今日はホワイトデーだ。
夜。俺はソファの上で体育座りをして、｢お返し、待ってます｣と心の片隅で祈りながら北斗が来るのを待つ。
北｢こーち。座って、ここ。｣
突然背後から北斗が来て隣に座ったかと思うと、膝をとんとんと叩く。
北｢膝に座って。｣
高｢ひ、膝に……？｣
北｢うん。｣
真顔でそう言って来たので恥ずかしながら素直に従うと、北斗は俺の体をぎゅむ、と包んでくる。
北｢………………かわいいこーちくんに、プレゼント。｣
そう言って腕にカポ、とはめたのはシルバーのバングルだった。
北｢……………いつも、俺らの飯代とか店のためにばっかお金使ってるから。……、オシャレになってください。ホワイトデーその1。｣
高｢……え、ぁ、ありがとぅ……………。かっこいいねこれ｣
相変わらず北斗らしいセンスの良いものを、また頂いてしまった。
俺が嬉しさと恥ずかしさで俯くと、北斗は俺の肩に顎をのせる。
あぁ……、、あざてぇし、この距離で北斗の声聴くと鼻血でそうになるんだよなぁ……………。
北｢……………指輪、とかはさ。俺が大学卒業して……1人前になったら、一緒に選びに行きたい。｣
高｢あ………、あ、うん、そうだね……、、真面目だなぁ……。｣
北｢真面目とかじゃなくて……。本気で大事なの。｣
高｢………………す、すきぃ……、、｣
どうしよう。溶けそう。
俺たちはお互い顔を火照らせてぼーっと見つめあっていると、北斗が耳元に口を近づけた。
北｢……あと、その2はガトーショコラ1年分。隠し味の唐辛子がいいスパイスになったよ。それを１ヶ月で消費してね。お前はもっと太らなきゃダメ。｣
高｢え………あ、ありがとう……………………｣
ま、まじ、か、、、と思いながらもお礼を言うと、｢あはは｣と北斗は笑って耳にキスをする。
北｢……………冗談だよ。でも、チョコもちゃんと作ったから。後で一緒に食べようね｣
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作者名：ななみや | 作成日時：2022年10月13日 22時
