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第1章 不死鳥と呼ばれる少女 10 ページ11

「で、でも・・それとディザイアを攻撃できるということの結びつきは・・・」

「あります。」

ずっと口を閉ざしていたアージェの発した言葉を美香はさえぎった。

「何故なら、今のオーナーは私だから。私のディザイア・・私はフェニックスと呼んでいるのですが、フェニックスは所持者の願いをかなえるためにいる。私の願い・・それが・・・」

美香の脳裏に初めてフェニックスとであった時のことがよみがえる。

姉と10歳も離れていたため、姉の体の中にいる。

それはなんともいえない感覚だった。

そして、その時に交わした約束を思い出す。

「私のような化け物を生まぬためにブレイクを破壊するために私に力を貸すこと。だからこの炎はディザイアを傷つけることができるの。」

アージェは美香の言葉にひたすら驚いていた。

そんな非、現実的なことがあるのか。

これは夢ではないかと何度も考えた。

しかし、夢ではない。そう理解してしまう自分がいることに気づくのだった。

「ひとつ・・・教えてください・・・。」

アージェは深呼吸をして美香を見つめた。

美香は自分を化け物と知り、なお自分を見つめてくるアージェに驚いていた。

しかし、ちゃんとアージェの瞳を見つめ返した。

「この武器・・もしかして美香さんが協力して開発されたものですか?」

「えっ・・・?」

思いもよらない質問に美香は驚いた。

だけど、その思いもよらない質問がなんだかうれしかった。

「えぇ。そうです。」

美香は先ほどアージェに見せた温かい笑顔をもう一度見せた。

それにつられてアージェも笑った。

「僕、なれるかわかりませんが特殊部隊に立候補します。」

その言葉はさらに美香を驚かせた。

美香は完全にアージェは一線からはずれようとすると勝手に思っていたのだ。

「ど・・どうしてですか・・?最初にブレイク処理仕事といった時・・・ひどくおびえていたのに・・。」

アージェは優しく笑った。

そして、優しい声で言い放った。

「僕も・・・あなたの手伝いがしたくなったんです。」

自分を化け物と知りながらも身を寄せてくれるアージェに美香はうれしくなった。

そして、二人は固く握手をしたのだった。

その時、アージェは確かに感じた。

冷たいはずの美香の手が人間の手より暖かいぬくもりを持っていると。

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作者名:鳳かおる | 作者ホームページ:http://vanpaiatatinoohimesama.web.fc2.com/  
作成日時:2014年6月10日 15時

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