俺しか知らない先輩の話【江口拓也】

不注意 ページ18

男主 side


柿「先輩、、、」


声を出さない俺に困っている柿原と



声を出せずに困っている俺


暫く沈黙が続いた


江「何してるんですか？徹也さん」


拓也が声をかけてくれる


柿「江口はこのこと知ってたの？A先輩がやめるってこと」


江「はい、当時一番お世話になってましたから、、、」


柿「そうなんだ、、じゃあなんで黙ってたの」


江「先輩が希望したからです、、先輩がやめた理由を誰にも知られたくないって」


どんどん進んでいく会話に俺はただ突っ立っているしかなかった


柿「じゃあ、江口は知ってるの？A先輩がしゃべらない理由」



江「理由は知りません、やめることは知ってて、たまに会うだけです」


そう、拓也が俺の希望の為に嘘をつく


柿「そうなんだ、、、先輩に聞いたら答えてくれますか？他の人には言いません」


話したくない


こんな自分を見せたくない



そんな俺の気持ちを察して、拓也が動いてくれる


江「先輩は誰にも言いたくないみたいです、、、社長には渋々話したみたいですけど、、、、あんまり知られたくないのかもしれません」


そう、拓也が言うと柿原は黙ってくれる

拓也は他の人たちに言わないでくださいと言ってから、俺の腕をつかんで駅へと向かってくれた


俺はただただ拓也の言う通りに動くしかできなかった


駅に向かう途中、悲しそうな柿原の顔がずっと浮かんでいた

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