俺しか知らない先輩の話【江口拓也】

従兄弟 ページ11

梅原side
先に予約していた店に入って待っていた


誰かが来たなと思うとA君が席に着いてタブレットを見せてきて、そこには“久しぶり裕一郎”と書かれている


「久しぶりAくん」


“一応読唇術使えるから、気にしないでね”


「わかった」

読唇術できるんだ…

“そういえば、裕一郎って今何やってるの？”


「声優やってるよ、Aくんは？」



素直にそう教えると、少し固まってから答えが返ってくる

“小説家”

「そうなんだ、名前は？」

“驚かないでよ？佑だよ”


マジで？あの佑さん!?


「正体不明の人気小説家佑がAくんだったの？！」

“そうだよ、、”

その後は料理を注文して、昔話をしながらお開きとなった



“今日は楽しかった、また話そうね”


「俺も、帰りはどうするの？」

“大丈夫、迎え呼んでるから”

「なら、大丈夫」

と会話をしていると迎えらしき車がやってくる

目の前に駐車されて出てきたのは江口さんだった……え？

「え？従兄弟って梅ちゃんなんですね！」

“やっぱり知り合いだよな〜”


目の前で繰り広げられる会話に疑問を持ち質問する


「え？江口さんと仲いいんですか？」

“一応、俺元声優でその時の後輩だから”


そんな繋がりが…って声優だったの!?

「まぁ無理もないよね、平城Aって調べたら出てくるはずだよ、先輩の事」


帰ったら調べてみると言うとA君は車に乗り込む

俺は見えなくなるまで手を振った


帰り道、平城Aについて調べた

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