触れて確かめて２【豪炎寺修也】 (ページ11)

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第61話　たくさん寝た後ページ11

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遠くの方で何かがゴーって音を立ててる気がする。

うるさいなぁ。

まだ眠ってたいのに。

ぐーっと伸びをして、寝返りを打った。

ん……？

……寝返り？

ハッとして飛び起きた。

反動でベッドが小さく跳ねた。

間接照明の柔らかな光が薄暗い部屋の中をぼんやりと照らしている。

あれ、映画は……。

私どうやって部屋まで戻った来たんだろう。誰かが運んでくれた…？

ぼーっとした頭で記憶を辿る。

ううん、全然思い出せない。

さっきから鳴ってるゴーって謎の音。耳を澄ませると、脱衣所の方から聞こえて来るのがわかった。

あ……、たぶんドライヤーの音だ。

秋、またお風呂入ったのかなぁ。

なんてことを考えながら、ふわふわした足取りで脱衣所に向かった。

コンコンとドアを2回ノックして、そーっと開ける。

「ごめん、秋。私寝ちゃってて……ん、え？修也？」

「ああ、起きたのか」

修也がドライヤーを止めて、ちょっと笑った。

えっ、何で。

あれ、秋は？てかここ、私たちの部屋じゃない…？

首だけ後ろに向けて、部屋を見渡す。

暗さに目が慣れたからなのか、ようやく気づいた。

ここ、修也の部屋だ。

昨日来たから覚えてる。壁の模様も、飾ってある写真も、ベッドも。