第52話 好きなところは ページ2
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「で、Aは豪炎寺くんのどこが好きなの？」
「急に？？」
夜。
と言っても、外はまだ明るい。
パチパチと軽やかな音を立てる炭？炎？わかんないけど燃えてるやつ。
それをぼんやり見つめながら、串に刺したマシュマロとかを炙ってる。秋と一緒に。
他のみんなはまだBBQ楽しんでたり、併設されたコートでサッカーしてる人もいたり…と自由な時間をすごしているみたいだ。
「ねぇ、教えてくれないの〜」
「てかなに、それ撮ってるの？」
「うん。後で豪炎寺くんに送ってあげようと思って」
秋がスマホ片手に、にへへと変な笑みを浮かべた。
ねぇ、ほんと、余計なことしなくていいから。それ送られたって豪炎寺くん困ると思うよ？
というか、“どこが好き”の答えをムービーに残されるって恥ずかしすぎるからやめて。
「A〜」
ニヤニヤしながら近づいてくる秋に『撮られてるのに言うわけないじゃん』と言うと、渋々スマホを下ろした。
「撮らないから聞かせてよ」
「懲りないなぁ秋は」
何でそんなに聞きたいの？何でもよくない？とか思うけど、見て、秋の興味津々な目……。
はぁ…。
「豪炎寺くんって、いろいろ気遣ってくれるでしょ？」
「うん。Aにだけね」
「もー、そういうこと言わなくていいから」
「ふふ、ごめんごめん。まさかA、そこだけじゃないよね？」
「えぇ…うん、まぁ。もちろんサッカーしてるときかっこいいし…、あと普段はクールなんだけど、可愛いとこもあってそれも好きだなぁとか……。ん〜、難しいなぁ。結局全部好き…？かも……」
その瞬間、自分が言ったことを理解して、慌てて熱くなった顔を両手で覆った。
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作者名：pomme | 作成日時：2021年3月22日 10時
