第46話 計画的に ページ46
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6月某日。
バレー部がインターハイ予選を控える中、私はなぜか体育館の中にいて、しかもよく知らない部員Aくんの隣で、その練習を見学しています。
「俺、灰羽リエーフっていいます。お姉さん、名前は?」
黒尾くんよりも遥かに背が高いはずなのに、彼の持つ雰囲気は威圧感とはかけ離れている。
おっきいのに、わかんないけど、溢れる超可愛い弟感。
異国の血が通った、翡翠色の綺麗な瞳に少し見惚れながら、『Aです』と答えた。
「Aさん。じゃあ、…下の名前は?」
「A、です」
「Aさんかぁ!良い名前。お姉さんにピッタリ」
キャッキャと喜ぶ灰羽リエーフくん。
ねぇ、何がそんなに楽しいの?と、出会って早々に呆れていると、彼はそわそわした様子で私の耳に顔を寄せた。
「で、実際、黒尾さんとはどういう関係ですか」
「……えっ」
反射的に飛び退くと、灰羽リエーフくんはさっきよりもずっと意地悪な顔でにっこり笑った。
「……ホントにただの友だち?」
「ほ、ほんとだよ。さっき黒尾くんも言ってたでしょ?」
「へ〜。ふ〜ん」
いかにも納得していない様子の灰羽リエーフくんを横目に、私は今日の初めのできごとを思い返した。
何かを企むような黒尾くんの横顔が脳裏に焼き付いていた。
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pomme(プロフ) - 処刑人さん» ありがとうございます🫶🏻🧚🏻♀️🫶🏻 (2月24日 11時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - ちゅき♡ (2月24日 1時) (レス) @page48 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます🙏🏻🥳 (12月25日 19時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - きゅんきゅんします💕続き楽しみにしております✨ (12月25日 5時) (レス) @page44 id: bad28e8810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pomme | 作成日時:2023年8月7日 23時