談話.2 ページ22
簡潔に述べよう。俺の彼女が可愛い。
談話室に来ているシャオロンです。
僕は今、心臓がバックバクの状態です。
「シャオくん、あ、あーんして?」
控えめに口を開けるA。しかも上目遣いときた。
はあ?可愛い過ぎかよ。いやもう可愛い。国宝級だねこれ。
出来事は数分前に遡る。
「あ、Aじゃん。何してんの?」
談話室の前を通りかかると、ソファーに座るA。手には小さな箱を抱えている。
「わ、シャオくん!えっと、トントンからチョコレート貰ったんだけど、一緒に食べよう?」
チョコレートに合う紅茶を淹れてくれて、小さなお茶会が始まった。グルッペンとオスマンに見つかると面倒なので、二人だけでこっそりと。
「あ、うま」
「これカシューナッツ入りだって。美味しいね」
にこにこと笑うA。甘いものは好きなようで、美味しそうに頬張っている。しかしこのチョコレートうまいな。トントンにお礼言っておこう。
「これは……オレンジピュレ?」
「美味しそう!まだ余ってる?」
「おん、あと一個あるで」
オシャレな包装紙に包まれたチョコレートを渡そうとすると、Aが何かを言いたげに見つめてくる。
「……シャオくん、あ、あーんして?」
今に至る。
いやかわいいな!
ほんまかわいい。こんなんされたら男は一撃必殺やろ。
頭の中でぐるぐると褒めたたえつつ、包装紙を解いていく。
「……はい、あーん」
口に入れるときに唇に当たった。思ったよりも柔らかいとか思ってないからな。断じて。
Aは小さく口を動かした後、頬をじんわりと赤くさせた。
「美味しいやろ?それ」
「うん、美味しい……」
はあ、休日ってええもんやな。朝から満遍なくAを見ることができる。あと普段出来ないぶんのスキンシップも。
「……甘いね」
だから、そう言って恥ずかしそうに笑うAはどうしようもなく愛らしくてたまらないのだ。
「あれ、あの雑誌なんやろ」
「うわああああああ!?」
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さとうきび(プロフ) - えるをん×@×IAさん» コメントありがとうございます!これからも精進してまいります。応援、よろしくお願いします! (2018年4月5日 22時) (レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
えるをん×@×IA(プロフ) - とても素敵な作品だなと思いながら読ませていただいている者です。これからも頑張って下さい(´q`) (2018年4月5日 0時) (レス) id: b8e4739678 (このIDを非表示/違反報告)
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