ゆめゆめゆられて.3 ページ13
稲妻の音で目が覚めた。
一人起き上がって、外を眺めた。
「……夜」
時刻は夜中の一時を過ぎている。外は時々光を走らせた。
夢だとしてもたちが悪い。一体私が何をしたという。
まあ、何年も前の話に戻るがある意味大罪を犯した。今更仲間を持つことを許さないのか。
それとも、私自体が拒否しようとしているのか。
そこまで考えに至り、慌てて首を振る。
そんな訳がない。自ら選んでここにいるのだ。だから、ありえない。
怖い。
夢であろうと、現実に恐怖が滲み出てくる。
いや、もしかしたら？彼らは同情や情けで一緒にいてくれるだけかもしれない。
ざわざわと心の中が掻き乱されていき、冷や汗が背中を伝った。
口を開いたが、渇ききっていて声が出ない。余程焦っていたのだろうか。
……ダメだ。こんなんじゃ寝付けない。
こういう時は食堂で何か暖かいものを飲もう。うん、それがいい。
そう思い、廊下へ出る。
みんなはもう寝ているのか、音ひとつ聞こえない。
その雰囲気が夢の中の道そっくりで、ぶるりと震える。
怖くて足がすくみそうだが、あのまま部屋にいるよりかはましだろう。人気のない廊下をそのまま進む。
今にも後ろから引っ張られるのではないか。そう思うが恐怖で後ろを向けない。夢なのに現実味を帯びているから更に怖く感じる。
きっと今の私は半泣きで、情けないくらい震えているだろう。それくらい得体のしれない何かが怖いのだ。
ようやく食堂の扉が見えてきた。
近付くと、明かりが一筋漏れていることに気づく。
徹夜のトントンかな。それとも夜食を食べるゾムかな。
誰かがいることに少し安堵して、扉をそっと開けた。
「……あっ」
「A？」
椅子の上に座り、コップを持っていたのは一番会いたかった人。
「シャオ君？帰ったの？」
「さっき帰ってきた。シャワー浴びてもう寝ようとしたんやけど……起こしてもうた？」
「ううん。ちょっとね」
疲れてるはなずのに、ニコニコと笑うシャオ君。
彼の笑顔を見ると、全身の力が抜けていった。
「だ、大丈夫？調子悪いん？」
突然座り込む私に、慌てた様子で駆け寄ってくれるシャオ君。その対応に脱力感を覚えた。
「あはは……最近悪い夢ばかり見るから、なんだか顔みたら安心しちゃって」
「夢？とりあえず立てそうか？椅子に座って待っててや」
軽々と引き上げられるように座らされ、厨房の奥へと消えるシャオ君。
しばらくして戻って来た彼の手には、マグカップが二つ、握られていた。
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さとうきび(プロフ) - えるをん×@×IAさん» コメントありがとうございます！これからも精進してまいります。応援、よろしくお願いします！ (2018年4月5日 22時) (
レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
えるをん×@×IA(プロフ) - とても素敵な作品だなと思いながら読ませていただいている者です。これからも頑張って下さい(´q`) (2018年4月5日 0時) (レス) id: b8e4739678 (このIDを非表示/違反報告)
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