人狼ゲーム

３日目・夕方 ページ28

岩本side


深「……さて。話し合いを始めようか」


仕切り役のふっかが重々しく言葉を紡ぐ。


深「まずは怪しいと思う人を言ってみようか」


淀みのない喋り。


部屋で内容考えて来たんだろうな。


そんなことは置いといて。


早速手を上げたのは阿部だった。


阿「俺は……変わらない。照だよ」


……だよな。


阿部の意見を否定はしないけど、俺だってここがヤマなんだ。


岩「俺は阿部。俺に固執しすぎじゃね？」


予(あらかじ)め用意しておいた答えを阿部を睨みながら言った。


阿部は想定内と言いたげなせせら笑いを浮かべて。


勢いよく机を殴り付けた。


その音にびっくりしたラウールが肩を震わせる。


向「阿部ちゃん、いっぺん落ち着きや。ラウール怖がってんで」


ラウールの隣にいた康二が優しく、かつ鋭い声を出した。


本当なら、あの立場は目黒だったんだろうな。


阿「……ごめん」


ラウールのことを考慮したのだろう。


阿部は一旦腰を下ろした。


舘「申し訳ないけど、俺も照」


渡「俺も」


続けざまに舘さんと翔太が俺を指差した。


マジかよ。


ゆり組が揃いも揃って俺？


つまり、現状は俺に３票、阿部に１票か。


正直キツイな、これ。


向「俺は阿部ちゃんやな」


ラ「僕は……分かんない」


これで阿部に１票増えたな。


あとはふっかだけ──


深「なぁ、みんな忘れてない？」


突如立ち上がったふっか。


何を言い出すんだよ。


深「最初の占いのとき、照は阿部に白出しした。

照が本物の占い師だとしたら、２人は白。

照が偽物だったら……どっちも有り得るけど。

要するに、阿部だけが人狼側ってことは無いんだよ」


……あ。


背中に冷や汗が伝うのを感じる。


やっちまったな。


向「……じゃあ、めめを殺したんは──」


康二は二の句が継げない様子で口をぱくぱくさせている。


ごめんな、お前を裏切って。


せっかく俺を信じてくれたってのに。


……まぁ、こうなる運命だったんだよ。


阿「もう決まりでしょ？」


冷たく轟く阿部の声。


阿「3、2、1！」


カウントダウンが始まり、みんなが俺に疑いの目を向ける。


そして、ゆっくりと俺の方に指をさした。








──投票結果──


深澤辰哉→岩本照


渡辺翔太→岩本照


宮舘涼太→岩本照


岩本照→阿部亮平


阿部亮平→岩本照


向井康二→岩本照


ラウール→岩本照



本日の犠牲者は、岩本照さんです。

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