人狼ゲーム

＊ ページ14

深澤side


無情にも時間は流れ、午前９時。


向「めめ……」


康二が目黒を失ったダメージが誰よりも大きいようだった。


当然だよな。


１番目黒といた時間が長いし、ファンの子達の間でも"めめこじ"って呼ばれて親しまれてたんだし。


逆に平然としてられる俺たちが異常なんだろうな。


岩「……この状況で言うのも悪ぃけど、俺はラウールを占った」


照が申し訳なさそうに口を開いた。


渡「何でラウール？」


岩「何もCOしてないし、何となく怪しかったから」


まぁ疑われるのも仕方ない。


下手に発言しない方が有利な場合だってある。


現に俺もそうだし。


佐「で、結果は？」


みんなが固唾を飲んで見守る。


岩「ラウールは……白だった」


それを聞いたラウールが胸を撫で下ろした。


もしラウールが人狼だったら精神的負担が大きすぎるもんな。


あいつは大人びてるとはいえ、まだ高校生なんだから。


阿「……俺は照のこと信じられない」


康二の背中をさすっていた阿部がぼそりと囁くように言った。


舘「俺も。照が人狼だと思いたくないけど、めめを吊ってメリットがあるのは照だけ」


舘さんまで……。


でも、正直照を疑わざるを得ない状況だと思う。


目黒は意外と推理力もあるし、序盤に吊っておかないと人狼としては不安だろうし。


俺が人狼だとしても目黒と阿部を最初に襲撃するな。


舘「ちなみにめめは白。れっきとした市民側だったよ」


すっかり忘れてたけど、一応霊媒師の舘さんから結果が告げられる。


やっぱ何の罪もないやつを殺しちゃったんだ。


ラ「……やっぱり、僕はもう１回だけ投票数を割った方がいいと思う」


ずっと黙り込んでいたラウールが真剣な顔つきをした。


深「昨日みたいにってこと？」


ラ「うん。めめが吸血鬼だった可能性も否定できないし」


確かに100%照が人狼とは言い切れないし。


だけど、阿部はラウールの言葉に弾かれたように顔を上げて。


阿「でも！ 昨日目黒は俺の部屋に来て『照は人狼だ』って！」


とうとう阿部が自我を失った。


せっかく自分を頼って来てくれたのに、そいつが襲撃されちゃったらな……。


ラ「僕だってめめが敵だと思いたくないよ。でもこうやって阿部くんを騙すためだとしたら──」


向「そんなんありえへん！ めめはそんな卑怯なやつやないってラウールも知っとるやろ……」

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