169話 ページ23
『離してください！もう！もう！嫌なんですよ！私のせいで人が苦しむのは…また、またせっかく決めた人生が消えるなんて絶対に嫌だ！だからもうやめてよ！離してよ…もう嫌だよ。こんなの…』
いつも強気で苦しくても普段辛い姿を見せないAがまるで幼い子供が我がままを言うかのように2人の手を振り払い、下に座り込み1人で小さく涙がポロポロと垂れしていた。その様子にジュンは戸惑い、凪砂と日和は今までのことを考え、何も言えずに黙ってしまっていた。
「こんな時にバカなことを言わないでくださいよ！」
『！！』
1人で泣いているAの腕を引き、茨はAの頬を強くたたいた。その様子に普段からは想像できないため全員が驚いていた
「自分のせいだから？だから自分は無理する？アホですか？あんたは…そんなことをしたら余計に苦しみますよ。あんたはそんなことをしたいんですか………違うでしょうが、あんたは昔から何かのために自分のことを気にしないって感じですけど。
もう………そんなことを考えないでくださいよ、そんなことをして誰も喜びません、たとえ無事でも絶対に喜びませんよ、絶対に」
茨は頬をたたいたことは後悔せずに、今までのAの辛さが分かっているからこそ辛そうな顔でもう自分はどうでもいいなんてことは辞めてくれと言った。
「そうだよ、Aちゃん。誰も喜ばないよ、君を思う人はいるだから自分をもっと大切にして」
「私も、たとえ自分が辛くてもAが倒れるのはやだ」
「……俺は3人みたいに全部知ってるってわけじゃないですけど。そんなん誰も得しませんよ」
Aは茨に言われた自分がどうなってでも助けるのはもうやめてくれという、自分が大切にするアイドルにそれを言われたため。涙をぬぐいながら、小さく4人にごめんなさいと謝った
「まったく、バカは困りますよ。けど……この状況下なら…行きたいんでしょあの人たちのところに」
『うん…』
「殿下、少し救急キットを貸していただけますか」
『自分でやる』
「ダメ、絶対にやるな。俺がやった方が早い」
『はい』
茨の普段の口調とは違い、昔のやんちゃな頃の口調に戻りいつも以上に怒った顔で当時を思い出すかのようにAの怪我を処置していた。茨のいつもと違い動揺した様子に3人も驚いていた
「できました…行くならご自由にですけど…絶対に無理はしないでくださいよ」
『気を付ける、自分を大切に行動するから…ありがとう茨』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
reichan(プロフ) - 朱桜馨さん» ありがとうございます！ぐだぐだてすが！頑張らせて頂きます！ (2021年8月16日 17時) (
レス) id: 6782e5c62a (このIDを非表示/違反報告)
朱桜馨(プロフ) - お？主人公ちゃん脈アリな雰囲気出てきた？茨頑張れ！あと一押しだ！……………多分この話とても面白いです。更新頑張ってください!! (2021年8月11日 23時) (レス) id: e0ab5d8073 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：reichan | 作者ホームページ：http://kurakura.raraya
作成日時：2021年3月20日 16時
