1番近くに。４

お泊りデート ページ19

.






『ありがとうございました』



「あいよー
俺も入ってくるわ」







そのままスタスタお風呂に向かった。








.









最後にここに来た時は
ほんとシンプルで何もなかったなあ。






今はたくさん本があって
すごい勉強家って感じのお部屋。






いつも頑張ってるんだね。








.









ふと、本棚に目をやると
１つだけ飾ってある写真立て。









10人くらいの男女が
楽しそうにバーベキューをやってる写真。






もちろんその中に宏光もいて
見事に両サイドには女の子。








…やっぱりモテるんだよなぁ。









.









「なに見てんの？」



『えっ！？あ、なんでもない』






慌ててその場から離れようとしたら
後ろからギュって抱きしめられた。






「あーこれね
俺の入ってるサークルの人たちだよ」



『へぇー…
やっぱりモテるでしょ？』



「んなことないよ」



『嘘だあ〜
だって女の子に囲まれてるよ？』



「俺は全く興味ないけどな」







ほんとかなあ…



サークルの人は毎日会ってるわけだし
私なんか1ヶ月に1回会えるか会えないかなのに。




さすがに不安になるよ。









.









「久しぶり会ったんだしそんな顔すんなよ」



『ごめんなさい』



「あ、今日星見えるかな？」





そのままベランダに連れていかれて






『…うわ、綺麗だね』



「ラッキー！久しぶりこんな綺麗に見えたわ」



『いつも見てるの？』



「電話する時は基本的にここだもん」



『そうなんだあ』






すごい綺麗。



耳をすませば波の音も聞こえるし
本当にこの家すごいと思う。









.








「A…？」



『なぁに？』



「Aが誰にどんだけ嫉妬しようと無駄だからね
俺ほんとにAの事すげー好きだから」



『…うん』









不安な心もその一言でパァって明るくなり
もっともっと、好きが増すの。








「そろそろ戻るか」









.

お泊りデート→←お泊りデート

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す