ここにいる【銀魂】第9章

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side貴方








漫画家らしい幽霊さんのお手伝いをする事になった私達。



資料集めの為万事屋に霊力を使って依頼したこの幽霊さんは今スランプ気味だと言う。



それで私達に恋愛シーンのモデルをお願いしてきた。




最初はこんな事初めてだしちょっと面白い、と思いながらやってたんだけど…









「ありがとうございます。じゃあ最後はキスシーンをお願いします！」








…………ん？聞き違いかな？



あれ私耳遠くなった？



キスシーンって聞こえた気がするけど…うん、気の所為だよね。









「キスシーンだって、A？」ﾆﾔﾆﾔ



「…ぇ、あ、え…？」



「もちろんやるよなァ？さっきまであんなノリノリでしてたんだから」








ん？と私の顎を掬い黒い笑みを向ける銀時。



逆にさっきまであんな嫌がってたのにどうしたの。



彼の急な変貌ぶりとお願いの内容に戸惑っている私に構わず色々なものを付け足す幽霊さん。








「肉食系女子設定なので、彼女さんから強引にしてる感じにして下さい。目は閉じないで下さいね？アングルは彼氏さんの後ろから描くので」



「っゃ、あ、あの…！私達付き合ってもないですし、流石にこれは出来ないというか…」



「寸止めで大丈夫ですよ」








だから早く、と強引な幽霊さん。



ふんすっ、と鼻息を荒くしいいネタが降りてきてるのかメラメラと目が燃えている。



こ、これはやるしかないのか…？




折れた私は寸止めでいいと言われたのを救いに、銀時の両頬を包んで唇を寄せた。



こういうシーンだって意識してるからかな…っ？



さっきは何ともなかったのに、今は凄く恥ずかしい。








「…っぎ、とき…！目、閉じ、て…？」



「嫌♡向こうからは俺の顔や表情見えてねーんだからいいだろ？」



「で、でも…そ、そんなにじっと見られたら…っ」



「Aが逸らせば？」



「それが出来ないから言ってるの…！」



「ああ、知ってる」ﾆﾔﾆﾔ









とにかくやーだ、とニヤニヤ顔で見つめてくる銀時。


どうしてこんな時の彼は少しSになるんだろう…っ？



至近距離で交わる視線に胸が騒ぐ。





耐えきれなくなってちょっとだけ視線をズラすとすぐ幽霊さんに指摘され元に戻さなくちゃいけなくなった。








「(…っは、早く終わって…‼)」








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