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side高杉
カタン..
僅かにした物音に目が覚める。
上体を起こし辺りを見てみればやはり彼女がいない。
つい数時間前あんな事があったからどうしようもねぇ不安に駆られるのは仕方のねぇ事で、俺は急いで後を追うように寝室から出た。
「…………」
ス..と静かに襖を開ければソファーに座り、机の上のモンを黙って見つめているA。
その目の先にあるモンを見ると、黒い、一枚の薔薇の花弁。
…チッ、誰だ捨て忘れてる奴。
Aが再び眠った(俺がキスで気絶させた)後、全員の意見が一致し何者かによって変えられたそれは捨てる事になった。
別に気持ちを伝えられる方法なんざいくらでもある。
だからAが気ィ遣わねぇようヅラが代表して捨てに行った筈。
途中で落としたか、かけている事に気付かなかったか。
どの道もう彼女に気付かれてしまった。
「………A」
「っ…、あ、晋...助......」
「隣座るぞ」
「う、うん…」
名前を呼ぶとビクッと肩が揺れ、震える唇で俺の名を呼ぶ。
隣に腰掛けようとすれば気まずさからなのか距離を開けようとしたので問答無用で腰を引いた。
………………離れようとすんじゃねぇよ。
「…………」
「あ、あの…晋s「いい」…え」
「無理して喋んな。別に聞き出そうとも思ってねぇ。だからそんな顔すんじゃねぇよ」
「…でも、私……」
「またキスで塞がれてェのか?」
「………ぇ」
「……冗談だ」←9割本気
「……………ふふ」
_________やっと見れた。
お前の、笑顔。
まだ少しぎこちねェけど、俺が好きな優しい笑み。
心臓が騒ぐ。
だが心地いい、矛盾しまくりの感情。
伸びた手はもう当たり前のように彼女を抱き寄せ、腕の中に収める。
「_____ごめんなさい」
「…そんなにキスされてェのか」
「……………」
「_____否定しねェのかよ?」
ならいいようにとるぞ、と言ってもなお謝り続けるA。
まるで別れる前のような気分になり、また不安が俺を襲う。
今回の事はあのAがここまでになる程に重要な出来事だったという事。
あいつが誰なのかも結局分かってねぇが、どんな形にしろあいつがAの特別である事に変わりはねぇ。
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かっぱの子(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!作者も出来れば全員の落ちが書きたい…!とは思うんですが(^^;全員分作れるよう頑張りますね!! (2018年3月27日 21時) (レス) id: 28c80c45d6 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - めっちゃ面白いです!はまりました!ときどきピンクがあるのがまたいい!沖田最高です!できれば全員の落ちがみたい・・・です! (2018年3月19日 20時) (レス) id: 493df71fa5 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - こあらさん» ありがとうございます!!^ ^もう既に大分話数くっちゃってますね…wこれからもっともっと急展開になっていくのでお楽しみ下さい!! (2018年3月16日 11時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - やったー!一番だー!新作出したと聞いたので急いで飛んできました!!いやー今回もとても楽しみです!ー相変わらず大好きです!ほかの作品もずっと応援しています!これからも更新頑張ってください!もう一度言います!大好きです!長文失礼しました! (2018年3月11日 23時) (レス) id: 1bc18c067e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年3月11日 20時