ここにいる【銀魂】第9章

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side高杉








「晋助様こっちっス！」







ふんふん鼻息を荒くして先を行く来島は、ある店の前で大きく手を振る。


明日に備えて地球に降りてきた俺達。




一昨日来島の部屋を訪れてAへのお返しっつーやつを一緒に選んでくれねェかと頼むと今日までずっと発狂していた。


こいつもAが大好きだから、雑誌を読みまくってリサーチしてくれていたらしい。



地球で女に人気の店に寄り、じっくりと吟味する来島。


男の俺にとっては入るのが大分躊躇うような店にまで踏み込み目をかっぴらいて探してくれてる。





……有難いが、少し目立ち過ぎてるな。









「晋助様は、Aのどこが好きですッスか？」



「全部」



「あ、そ、それはそうなんスけどそうじゃなくて…」







間髪置かずに答えた俺に苦笑いを零し、えと…と詳しく話す。







「例えば耳たぶとか、首筋とか…晋助様が触れる時に好きな所ってどこですッスか？」



「…………」



「好きな所に自分があげた物があるって、結構嬉しいって雑誌に書いてたんス」







いかがッスか？と尋ねられ記憶を辿る俺。



俺が、あいつの体で好きな所。



迷いなくまた全部だと答えられんが、それだと…





考えに考えて俺は答えを出す。








「……うなじ、だな」









あいつの香りが一番強い場所。



俺が、何よりも落ち着ける香り。




偶に結ってる時見えるそれが、どうしようもなく俺の心をかき乱す。








「なら香水か、ネックレスか…でもAは香水苦手みたいッスからね…」








うーんと悩む来島と一緒に俺も悩む。




あいつが、一番喜ぶモンを。









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