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side高杉
携帯を奪い取り画面を見ると、恐らく辰馬が連写しやがったもんの一枚が待ち受けとして貼られていた。
コイツの言動に揺さぶられて歪めていた時の顔じゃねぇ事に内心安堵の息を吐く。
「ご、ごめんね。その、すぐ消すから…!」
「…別に消せとは言ってねぇ。ただ、…一枚にしろ」
「!い、いいの?」
「……待ち受けはやめろ」
悪い気はしねぇが、小っ恥ずかしい。
携帯を返すと嬉しそうに頷き礼を言うA。
……こんなもんでてめぇは喜ぶのか。
腕と腰に手を回して引っ張り上体を起こさせると反転させ、俺が一番落ち着く体制に変えた。
いつも通り首筋に埋まる振りして昨晩付けたばかりの痕に軽く唇で触れまた少しの満足感を抱く。
ンな事されてるとは思いもしねぇで、俺に言われた通り一枚だけ残し他のヤツを消し終えたAは、顔だけ振り返りまた礼を言った。
「ありがとう晋助」
「…ああ」
「ふふふ、可愛い」
「……誰が」
「晋助だよ。…ってちょ、携帯潰れる潰れる…‼」
画面の中の俺を見て頰を緩めるサマと『可愛い』という理解不能の言葉に眉は上がり、ガッと携帯を掴んだ。
慌てて取り返したAは懐に仕舞いほっとしたように息をつく。
…コイツの目は偶におかしいんじゃねぇかと思う。
俺の何を見てンな言葉が出てくんだ。
二度と言えねぇようにしてやろうかと思いながら頰に手を添えてこっちを向かせ顔を傾ける。
……が。
「晋助、晋助!起きてい……」
バタンッ..!!
「………チッ」
「…緊急事態でござる、許せ」
噛み付く間際に扉が開き、目が合った万斉がしまった、と言いたげな顔をする。
盛大な舌打ちをこぼすも、万斉のこの様子は物珍しいモンで余程の事態なのかと仕方なく手を離した。
行ってくる、とだけ言いくしゃっと髪を撫でただけで顔を見ず出て行った俺は本物の馬鹿だ。
「___...っ」
いくら鈍いアイツも流石にキスされる手前までくれば分かる。
耳まで赤く染まる愛らしい姿は、背を向けていた俺の瞳に映る事はなかった_______
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李由華 - 更新頑張ってください!楽しみにしています! (2020年1月27日 17時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - おもしろくてドキドキしちゃいました! (2020年1月19日 0時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - リリアさん» お返事遅くなってしまいすみません!!ログインされた状態で、設定画の検索からフラグ有含む、というのが選択可能になります (2020年1月6日 13時) (レス) id: cb7d4e3a10 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 何卒さん» お返事遅くなってしまいすみません…!この中ですと暗殺教室ぐらいですかね…作者も新作を作りたいと思ってるんですが、現在あるものの更新が滞っておりまして…新作はもう少し後になってしまいそうですm(_ _)m (2020年1月6日 13時) (レス) id: cb7d4e3a10 (このIDを非表示/違反報告)
リリア(プロフ) - また質問すいません。かっぱの子さんが教えてくれた、検索の際にフラグ含めが分かりません。できればでいいのでやり方?というのでしょうか?教えてくださると嬉しいです。(返信めんどくさかったら無視してかまいません) (2020年1月2日 13時) (レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2019年5月29日 0時