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No side
「おはようぜよ高杉Aー!」
「った、辰馬?おはよう」
「なんじゃー高杉はまだ寝とるんかぁ」
「うん、晋助朝弱いから」
「よく知っちょる。金時に負けず劣らず寝起きも悪かったき、起こすの大変だったからのぅ」
「辰馬は早起きだったんだ?」
「誰がおじさんじゃあ‼」
「言ってないよ⁉」
あはははっと独特の笑い声と自前の大きな声でいきなり入ってきた坂本に、Aは咄嗟に携帯を自身の後ろへ隠した。
もちろん気付かない訳などなく、他愛もない会話をしながら彼女に悟らせないようにして側まで来ると一瞬でひょいと奪い取る。
あ、と思った時には遅く、起動中のカメラをバッチリと見られてしまい真っ赤に染まっていくAの頰。
「(そりゃ皆が皆落ちる訳ぜよ…)」
「あの、その、これは...」
「(高杉が見てたらやばいヤツじゃき)」
残念だったのう、と思いながらチラッと眠っている筈の彼に目を向ければ吹き出しそうになったのを根性で堪えた。
手の甲の血管がはっきりと浮かび上がるぐらい強い力でシーツを握りしめ、瞼は閉じていながらも眉は寄せられていて何かを堪えているのが一目で分かる。
確実に起きている。
そう思った坂本は面白9割、友を応援する心1割で狸寝入りの事を胸に留めておいた。
「なんじゃーまだ撮っておらんのか」
「…っえ、と、やっぱり、勝手に撮られるのは嫌かなって思って。盗撮とかよくないし…」
「真面目すぎぜよ。それに高杉は照れ屋じゃき、言ったら絶対撮らしてくれないぜよ、今がチャンスじゃ」
「ぅー…」
良心と欲が激しく闘い困惑するAに「大丈夫じゃ大丈夫じゃ」と軽く言って坂本は連写で高杉の寝顔を撮った。
そしてそれを待ち受けにまで変えてから返す。
「ま、待ち受けまでしたら私ほんとにストーカーだから!」
「高杉の同意があればならんから大丈夫じゃき。起きたらわしの言う通りにして聞いてみぃ、こう首を傾げながら上目遣いで…」
「携帯折られるからそんなのしたら…!」
「(悶絶して、だったらありえるかもしれんのぅ)」
さて、それをもし銀時達に見られたらどうなるか?
高杉じゃなく他の者に折られる危険性の方が高そうじゃ、と心の中で笑った。
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李由華 - 更新頑張ってください!楽しみにしています! (2020年1月27日 17時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - おもしろくてドキドキしちゃいました! (2020年1月19日 0時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - リリアさん» お返事遅くなってしまいすみません!!ログインされた状態で、設定画の検索からフラグ有含む、というのが選択可能になります (2020年1月6日 13時) (レス) id: cb7d4e3a10 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 何卒さん» お返事遅くなってしまいすみません…!この中ですと暗殺教室ぐらいですかね…作者も新作を作りたいと思ってるんですが、現在あるものの更新が滞っておりまして…新作はもう少し後になってしまいそうですm(_ _)m (2020年1月6日 13時) (レス) id: cb7d4e3a10 (このIDを非表示/違反報告)
リリア(プロフ) - また質問すいません。かっぱの子さんが教えてくれた、検索の際にフラグ含めが分かりません。できればでいいのでやり方?というのでしょうか?教えてくださると嬉しいです。(返信めんどくさかったら無視してかまいません) (2020年1月2日 13時) (レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2019年5月29日 0時