ここにいる【銀魂】第7章

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side朧








_________何も、求めてないだと…？




そんな事、ある訳がない。



何の利益も無しに見ず知らずの者を助ける愚か者がいるとでも思うのか？







真意を探るように女の瞳を見つめると、「？」と首を傾げる。




_________この女、本物の馬鹿か？









「_________俺を助けた理由は」



「怪我してたから。それにあのままあそこにいると寒くて死んじゃうでしょ？」








さも当然だと言うように話す女。



俺には理解不能の言葉をつらつら喋る。





…ただ者ではない事は確かだろう。



一見普通の……いや、違うな。



容姿からみて、普通とは違う。




だがこの女の場合、それだけではない。



あの幾つもの転がっている人、広がる血…、そしてその転がっている奴等を仕留めた者であろう俺を助けようと常人なら思わないだろう。









「そんな難しそうな顔しなくても。助けたいと思ったから助けただけ。それじゃ駄目なの？」



「………お前に何の利益がある」



「貴方の元気になった姿が見れる事かな」



「…………は？」



「元気になってくれたら、それでいい。別に見返りとかいらないから。私がしたくてしてる事だから貴方は気にしないで」








それだけ言うと女は洗面器を取り、水替えてくるねと部屋を出て行った。









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