検索窓
今日:48 hit、昨日:1 hit、合計:478,501 hit

125 ページ35

side貴方







日が沈んできた道を、二人で歩く。




特に何か会話をする訳でもなく歩いていると、家の前まで着いた所でポツリと声を出した総悟。









「…………A…」



「んー?どうした?」



「…変な事聞いてもいいですかィ?」



「何でもどーぞ?」



「…………Aは、俺たちの事、どう思ってやすか?」



「…………え?」









総悟の瞳は真剣で。




でもどこか悲しそうで。




何かを訴えるように私の瞳を見つめていた。





…………どう思ってるって、そんなの。





大切に思ってる、としか言いようがない。





…でもきっと、それは彼の望んでいる答えじゃなくて。





私はなんて答えたらいいのか迷った。









「……………………」



「…聞き方を変えやすね。俺たちを、男として見てやすかィ?」



「それは…見てるけど」



「Aの言う男は、異性としてですかィ?それともただの生物学的上の事ですかィ?」



「…………えー、と」









どうしたんだろう総悟。急にこんな質問。





まさか近藤さん達が言ってた好きな人に関係が?









「………………俺は、どうしたらいいんでさァ」



「え?」



「どうしたら、振り向いてくれるんでィ。どうやったら、少しは意識してくれるんでさァ!」



「…………⁉」









急に叫んだと思ったら思いっきり手を引かれ、総悟の腕の中に収まる私。







なんでそんなに辛そうな顔してるの?




誰が総悟をそんな風に苦しめてるの?






そう聞きたいけど、聞けなかった。







総悟が、今すぐにでも泣きそうな瞳で見つめてくるから。









「……総悟…」



「…………嫌でィ」



「え…?」



「あんたは、あんただけは譲れねぇ。
誰にも、譲らねぇ…!」



「………………」









…………私と、誰を重ねて言ってるんだろう。





総悟のこの様子から、本当に相手の人を大切に思ってるのが分かる。




大丈夫だよ、総悟。そんなに心配しなくても。





きっと総悟の気持ちは、ちゃんとその人に伝わってるから。






そういう思いを込めて、私は近藤さんに言われたおまじないをした。







少し背伸びをして、軽く触れるだけのキスを頰に落とす。





近藤さんはこれでいいっていったけど、本当にこんなので元気でるのかな…?






.

126→←124



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (208 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
460人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜叉丸(プロフ) - すごいです!この神がかったて文才分けてください...あ、私は最近占ツク始めた白銀月というものです!あの...よければ話読んでみてくれませんか? (2019年6月25日 20時) (レス) id: a5f796a462 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子 - 神無さん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!! (2017年9月14日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子 - 小鳥遊☆優さん» お返事遅くなってすみません!ありがとうございます!!吉田松陽は出て来る予定ですよ!もうしばらくお待ちください^ ^ (2017年9月14日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
神無 - この小説を読んだ瞬間にかっぱの子さんの大ファンになってしまいました!これからも応援してます! (2017年8月21日 2時) (レス) id: d0c87e0316 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊☆優(プロフ) - また、かっぱの子さんの小説大好きです!これから最新頑張って下さい。応援しています。 (2017年8月18日 14時) (レス) id: ac9ea514ce (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年6月27日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。