124 ページ34
side貴方
あの後、十四郎はご飯を無事完食すると力尽きてしまったのか倒れ込むように寝てしまった。
私は洗い物を済ませるともう一度十四郎の部屋に戻り、近藤さんに声をかける。
「では、私はそろそろ帰りますね。十四郎ももう大丈夫だと思うので」
「おお！本当にありがとうなAちゃん」
「ふふ、どういたしまして。お力になれたかどうかは分かりませんけど」
「十分さ。トシは昔から、人に甘えるなんて事してこなかった。…だがAちゃんになら出来ると思ってな」
そう言って近藤さんは十四郎を見る。
その優しそうな横顔はまるで父親のようで、改めて近藤さんが局長を務めている意味を理解できた気がした。
十四郎の部屋を出ると同時に、横の部屋の襖が開き、総悟が出てきた。
「…………A、帰るんですかィ？」
「うん、おじゃましました」
「……送りまさァ」
「え、大丈夫だよ。気にしないで？」
「Aちゃん、送ってもらってくれ。もう夕方近いし、ここ最近物騒だからな。総悟も心配なんだろう」
えぇ…。
心配なんて私にしても無駄だと思うんだけど…。
まぁでもせっかく総悟が送ってくれるって言うんだし、お言葉に甘えようかな。
「あ、そうだそれと…」
「？」
「総悟、お前は先に玄関で待っててくれ」
「…………？分かりやした」
何かを思い付いたように近藤さんは手を叩くと、何故か総悟を先に行かせ、私にこいこいと手招きをする。
「…………Aちゃんにお願いがあるんだ」
「…………？はい、何ですか？」
「総悟、今少し元気ないだろう？それをAちゃんの手で元気出させてやってくれ」
「…………え、ど、どうやって…」
「簡単だ。ーーーーーーーー…」
……………………え。
本当にそんなので元気出るの…？
そう思って近藤さんを見ると、ぐっと親指を立てて間違いないと言った。
どこからくるのその自信。
じゃ、行ってらっしゃいと肩を押され、私は総悟の元へと行く。
門に立っていた隊士の人とも挨拶をしてから真選組を後にした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 460人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜叉丸(プロフ) - すごいです！この神がかったて文才分けてください...あ、私は最近占ツク始めた白銀月というものです！あの...よければ話読んでみてくれませんか？ (2019年6月25日 20時) (
レス) id: a5f796a462 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子 - 神無さん» ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！！ (2017年9月14日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子 - 小鳥遊☆優さん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！！吉田松陽は出て来る予定ですよ！もうしばらくお待ちください^ ^ (2017年9月14日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
神無 - この小説を読んだ瞬間にかっぱの子さんの大ファンになってしまいました!これからも応援してます！ (2017年8月21日 2時) (レス) id: d0c87e0316 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊☆優(プロフ) - また、かっぱの子さんの小説大好きです！これから最新頑張って下さい。応援しています。 (2017年8月18日 14時) (レス) id: ac9ea514ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かっぱの子
| 作成日時：2017年6月27日 21時
