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side土方









息が苦しい…。






首元だけ寒く、体は暑いという意味の分からねー症状に俺は悩まされていた。








布団を掛けても暑くて結局はいでしまう。




だがすぐに寒くなりまた被り直す。





ずっとそれの繰り返しだった。









朦朧とする意識の中、俺の部屋の襖がスー…と開いたことに気付く。






来客か、と思い体を起こそうとすると、トン…と肩を押され布団に戻る背中。






そして耳元で、優しく、囁くような声が聞こえた。









「寝てていいよ、十四郎」









その言葉に酷く安心した俺は一気に眠気に襲われ、瞼を閉じる。






ぼやける視界で見えたのは、今俺がどうしようもねぇ程惚れている女の顔だった。









ーーーーーーーーーーーーーーーー









「…………ん」









どれぐらい時間が経ったんだろうか。





パチリと目を開けると、そこに彼女の姿はなく。







起きようと試みたがどうにも力が入らねぇので諦め、視線だけをキョロキョロと動かした。







するとまた開いた襖。






静かに入ってきたAの手には水の入った桶が抱えられている。









「あ、起きた?十四郎。具合どう?」









そう言って額に手を当てるA。





冷んやりとした手は思いの外気持ちよく、俺は目を細めた。









「まだ熱あるね…。暑いでしょ、十四郎。
一回服着替えよっか」



「は⁉何言って…」



「体も拭かないと。汗ばんだままだと気持ち悪いでしょ」









ま、待て待て待て待て。






着替えるって…は?




それは自分で、だよなもちろん。






でも今の俺にそんな体力は……









「十四郎、ちょっと体起こすよ。私にもたれかかってくれていいから」



「は⁉…っ‼」



「帯緩めさせてもらうね」









何の躊躇いもなく帯を緩めるAに俺は戸惑う。






そして上半身の着物をずらし、絞ったタオルで体を丁寧に拭き始めた。









俺は自分の体を起こしてる力も残ってねぇからAにもたれかかってる状態で。






Aはそんな俺を支えてくれてるから今、抱きしめられてるみてぇな状態になっている。





俺の心臓はもちろんバックバクで、フルに活動しまくってる。








「(やっべ……っ)」






.

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夜叉丸(プロフ) - すごいです!この神がかったて文才分けてください...あ、私は最近占ツク始めた白銀月というものです!あの...よければ話読んでみてくれませんか? (2019年6月25日 20時) (レス) id: a5f796a462 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子 - 神無さん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!! (2017年9月14日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子 - 小鳥遊☆優さん» お返事遅くなってすみません!ありがとうございます!!吉田松陽は出て来る予定ですよ!もうしばらくお待ちください^ ^ (2017年9月14日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
神無 - この小説を読んだ瞬間にかっぱの子さんの大ファンになってしまいました!これからも応援してます! (2017年8月21日 2時) (レス) id: d0c87e0316 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊☆優(プロフ) - また、かっぱの子さんの小説大好きです!これから最新頑張って下さい。応援しています。 (2017年8月18日 14時) (レス) id: ac9ea514ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年6月27日 21時

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