435 ページ38
side土方
「___お前が強いのはよく知ってる」
「…?」
「…けど、あんま無茶すんな。怪我したらどうすんだ阿保」
ぎゅ、と抱きしめる腕に力を込める。
さっきは気付かなかったけど、落ち着いた今ようやく分かった。
こいつ、明らかにこの男達を誘い込んでた。
ハナから大通りじゃ目立つから狭いこの道に入って仕留めるつもりだったんだろう。
「一瞬ビビった事は認める。けど___それよりも俺は、今のお前の方が怖ェ」
「今…?」
「あぁ。何となく、前から思ってた事だ。
_______お前、いつか消えるつもりだろ」
「!」
俺達の前から、
_________いや、全てから。
姿だけじゃなく記憶までも。
「…………」
無言はきっと、肯定の意。
……ふざけんな。
いつからこんな事思うようになったのかは分からねェ。
けど時折、さっきみたいな顔をしているお前を見て全身が震え上がる。
心臓が騒ぐ。
今この手を掴んでおかねェと二度と会えなくなる。
そう感じた事が度々あった。
「俺が1番怖ェのは、お前がいなくなる事なんだよ。だから___何者でもいい。言いたくねェなら聞かねェから、俺の前から消えようとだけはすんな」
大切な人がいなくなる、その恐怖は十分に知ってるからこそ。
…いや、それよりも。
大切な人の存在すら忘れちまうのは失うよりも怖ェ。
.
595人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かっぱの子(プロフ) - あさきさん» コメントありがとうございます! (2018年9月2日 11時) (レス) id: 0363bbcb34 (このIDを非表示/違反報告)
あさき - 晋助様onlyの裏短編集がいいです!! (2018年8月25日 5時) (レス) id: bb36b65e09 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - シャープ♯さん» 了解です!!コメありがとうございます!! (2018年8月22日 20時) (レス) id: 00a7dd5484 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - ひめかさん» 了解しました!コメありがとうございます^ ^ (2018年8月22日 20時) (レス) id: 00a7dd5484 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - キリカさん» ありがとうございます! (2018年8月22日 20時) (レス) id: 00a7dd5484 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年4月30日 15時